2006年07月09日

「復活の日」(1)

 学生時代の読書はSFと古典が中心で、日本のSF作品というと小松左京と眉村卓の作品をたくさん読んだ。小松左京氏の作品では長編小説「日本沈没」をはじめとして、「果てしなき流れの果に」、「復活の日」、「首都消失」、「さよならジュピター」、「ゴルディアスの結び目」、「継ぐのは誰か」、「見知らぬ明日」などなど、主に長編を読みあさった。この中から映画として劇場作品になったものもいくつかある。その内のひとつが「復活の日」。
 公開は1980年、制作は角川春樹、監督は深作欣二、音楽に羽田健太郎。南極を初めとして、南米でのロケを行ない、膨大な制作費を注ぎこんだ角川映画の絶頂期の作品。公開当時はテレビでも宣伝してましたね。草刈正雄とオリビア・ハッセーの抱擁シーン、南極の風景がバックの広告・ポスターもよく見ました。原作と大筋は同じだが、細かい設定には違いがあり、小説から変更は映画の映像に適した変更ではあるが、それが不条理な事象を作っているのが惜しい。

 米ソ対立の時代、東ドイツから持ち出されたウイルス兵器MM-88が航空機事故で空気中へ洩れてしまう。極低温では活動しないウイルスだったが春になり気温が上がると共に爆発的な勢いで増殖していき「イタリアかぜ」の名で全世界に広まる。結局このウイルスで極低温の南極基地以外の人類は死滅してしまうことに。
 日本国内の惨状は南極観測隊隊員の渡瀬恒彦の妻(丘みつ子)、その友人の多岐川裕美(草刈正雄の元恋人)、大学病院の医師・緒形拳、助手の小林稔侍らの、野戦病院化した大学病院での奮闘で描かれる。最後は多岐川裕美が友の息子を連れてボートで東京湾へ出て実質上の心中で幕を閉じる。
 一方、南極昭和基地での孤立状況を渡瀬恒彦、千葉真一、森田健作、草刈正雄、夏木勲らが演じる。隊員の中に角川春樹氏が混じっていたはず。渡瀬恒彦は半狂乱の内にブリザードの中に飛び出して行方不明。主人公草刈正雄(ヨシズミ)は死を覚悟した作戦に加わることに。
 アメリカ・ホワイトハウスの状況を見ていると、つくづく人間が嫌になってくる。嘘、知らぬ顔、責任転嫁・・・。そんな中で次々と人が倒れていく。最後に極寒の地・南極の存在に気づいた大統領は南極基地提督に電話を入れると、「外からの人間を入れるな、そこを動くな、君たちに何の希望も与えることはできない、人類の未来のために、神の加護を」と伝える。(つづく)


81.8MHz fmGIG が夜9時からお送りするムーンライト・ブレイク
月曜日はアニメ・特撮・ゲームについて語り
アニメソングをかけ倒す(?)120分です。
posted by KAZU at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2006年07月08日

「黒毛和牛上塩タン焼680円」



 特に大塚愛さんの歌が好きだというわけではないのですが、大塚愛さんは曲想によってかなり声を変えて歌われてますね。この「黒毛和牛上塩タン焼680円」は実にあま〜い声で歌ってます。
 2004年秋から放映の「ブラックジャック」の最初のエンディングでCDの発売に先駆けてオンエアされ、発売と同時にランキングもぐんぐんアップ、かなり流行ったのでご存知の方も多いと思います。エンディング映像はピノコ中心。曲のイメージはエンディング映像にも、ストーリーにもかみ合わないながら、聞き応えはありました。大塚愛作詞、大塚愛作曲、大塚愛&Ikoman編曲。この曲がアニメソングだとは知らない人も多いようです。

だぁいすきよ
あなたと1つになれるのなら
こんな幸せはないわ・・・
お味はいかが?

 テレビサイズではこの歌詞から始まりますが、フルコーラスでは少し構成を変えています。アニメファンとしてはやはりテレビサイズ構成がしっくりきて好きですね。
posted by KAZU at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション

2006年07月07日

「はじめて君としゃべった」



 「NARUTO」は見ていると非情さのない、それでいて心の奥深いところでの人間関係は感じられず、悪く言えば表面だけの人間関係に熱く、うすっぺらな精神世界を描いた作品だと思う。返してみればきわめて現代的な若者の人間関係をそのまま写し取った作品で、そういうところが人気の秘密かもしれない。ストーリーの進行はしんきくさいし、主人公のうずまきナルト煮え切らない嫌いなタイプだし(熱血だなんて僕にはとても思えません)、たまに息子が見ている横から眺めているだけなんですが。
 そんな「ナルト」のエンディングのひとつが「はじめて君としゃべった」。

僕なんかがしゃべりかけたら迷惑に思うかな
そんな不安を抱えて勇気を出してみたよ
うまくしゃべらない僕の不器用な話
君は耳をそらさずにちゃんと聞いてくれたよ

 不器用なナルトの心情をそのまま歌っているようでおもしろい。中高生でこういう気持ちを体験する人は多いと思うのだが、この曲は大人になってもそんな不器用をひきずった人の歌?かな。エンディング映像はひたすら走るナルト。桑原康伸作詞・作曲、ガガガSP編曲・歌唱。一度聞いたら忘れられないユニークな曲だ。

はじめて君としゃべった 君は笑ってくれた
はじめて君としゃべった 僕のこの言葉で
posted by KAZU at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション

2006年07月06日

「To All The Dreamers」



 1970年代までのアニメソングなら、たとえ知らずに聞いても「これはアニメの主題歌だ」と分かるものが大半だったのですが、80年を過ぎるあたりからだんだんそれが、それと分からない曲が増えてきました。2000年を過ぎた今ではジャンルも様々、横文字タイトルも増えました。もっとも制作プロセスが異なっていて、アニメ作品のために作曲したのではなくて、イメージソングとしてタイアップという形の曲も増えたためですが。そんな中から2000年代のおもしろい曲を少しご紹介してみようかと思います。
 「焼きたて!!ジャぱん」については機会を見て改めて書くとして、1曲目は「焼きたて!!ジャぱん」のエンディング「To All The Dreamers」を。
 アフロな松代健のダンスのバックに流れる曲は、Diggy-Mo', Bro.Hi作詞、Diggy-MO', Shinnosuke作曲、Shinnosuke編曲。三人組のSOUL'd OUTの弾丸のように飛び出すラップミュージックが魅力。たまたまアニメ主題歌だったこともあって聞き、他の曲も聞いて見ましたが素晴らしい。和洋取り混ぜての彼らのラップは実にお見事。ダンサンブルな音の運びは激しくノセられます。松代のダンスエンディング映像とのマッチグも文句なしというところ。

NOW EVERYBODY MOVE
CAN YOU GET A LITTLE SOMETHIN'
GOT TO DO
SO BETTER BELIEVE IN........

D R E A M
Drem この胸にでっかく強く
光り輝いて負けない眼差し
手さぐりで探した風んなか
答えなんかまだ Un...
posted by KAZU at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション

2006年07月05日

「虹の卵」

 皆さんは竹の花を見たことがあるでしょうか。数十年に1回咲くということで、その花が開くと不吉なことが起こると言われたりします。竹が花を開くと種を着けて、一斉に枯れることから、竹を主食とする野生のパンダの生存に影響するというようなニュースもありました。昭和40年過ぎに120年ごとに咲くといわれるマダケが日本全国規模で開花して、竹林が様変わりしたことがあります。当時僕は小学生でしたが、山里の一軒家だった祖父の家からは竹薮にさえぎられて隣家は見えなかったのですが、開花で竹が枯れてしまい200メートル程離れた隣家が見えるようになってしまいました。
 さて話は逸れましたが、「ウルトラQ」の第18話「虹の卵」はササメダケの花が開くというところから始まる。濃縮ウランカプセルを積んだトラックが山の中を走る。二人の運転手の内の一人が珍しいと竹の花を取る。ところがもう一人が「竹の花は縁起が悪いんだ、捨てろ」と言う。その直後道でがけ崩れ、さらに地中から怪獣パゴスが姿を現わしてトラックは転覆、炎上してしまう。鎖が切れたウランカプセルは転がっていく。
 「その花が咲けば災いの徴。つまり、とんでもない悪い大事件が起こると昔から言い伝えられているササメダケに、真っ白な花が咲いた時の話です」とナレーションが入る。この回のタイトルクレジットは白い玉子が割れて虹というタイトル文字になるというものだった。これもおもしろい。
 足の悪いおばあちゃんと仲良しの子供達たんぽぽ団、そのリーダーのピー子は林の中でさざめ竹の花を見つけて髪に差して飾ります。おばあちゃんは、さざめ竹の花が咲くと不吉なことがおこるということを知っていますが、ピー子たちにそのことを伝えることができずに「ササメダケの花と虹の卵がそろうと、どんな願いごとでもかなう」と嘘をついてしまう。ピー子達はおばあちゃんの足を治すために虹の卵を捜し始める。そしてピー子は巨大な虹の卵を見つける。鎖のついたその巨大な虹の卵は重くて、ピー子はおばあちゃんのために力一杯、鎖を引っ張って持って帰ろうとする。

posted by KAZU at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2006年07月04日

「おはなはん」



 僕のレコード棚に一枚の古いレコードがあります。ジャケットは残っていませんし、レコードが入っていた紙袋さえありません。透明のビニール袋に入ったそのレコードのレーベルを見ると「おはなはん/倍賞千恵子」の文字が見えます。(上の写真はネットからお借りしました)
 「おはなはん」は1966年からNHKの朝の連続テレビ小説として放映された作品。明治、大正、昭和をかけぬけた浅尾はなの18歳から80歳までの人生を描いた作品で、大変な人気作でした。NHKによると平均視聴率が45.8%、それだけでも人気の高さがわかります。当時小学生低学年だった僕も8時15分からの放送を見て、8時30分に家を出ていましたから全310話の大半は見ていたと思います。
 はなを演じたのは当時新人の樫山文枝さん。一人で18歳から80歳までを演じたのが印象的でした。歌詞にもあるように「いつでもあかるく、南のひざしのよう」なおはなはんでしたが、結婚、戦争、死別、の辺りは暗かったです。確か旦那さんは髭を生やした軍人さん、将校でしたね。レコードジャケットの裏は女学生時代のはなのポートレートだったと思うのですが。
 最終回ははなの人生がテレビドラマ化されることが決定して、いよいよ初回放送の日。はなは「さあ、いっしょに見ましょうか“おはなはん”」とテレビの前に座って、テレビからは「おはなはんのテーマ」が流れるというユニークなシーンで終了しました。
 NHKの朝の連続テレビ小説はその後もテレビから音楽を録音しましたが、レコードがあるのは「おはなはん」のみ。それも父が買ってきました。テレビのオープニングは歌が着いていませんが、レコードのA面は倍賞千恵子さんが歌う「おはなはん」。繰り返して聞いたので三番まで完全に記憶しています。歌詞カードがないので僕の記憶の書き綴りですが歌詞をご紹介します。

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posted by KAZU at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 番外編

2006年07月03日

「蟲師」(むしし)

 「蟲師」(むしし)は2005年からフジテレビ系で放映された一話完結の説話風アニメ作品。原作は漆原友紀の同名漫画作品。地上波の放映は20話、BSフジの放映を含めて全26話。制作はアートランド・『蟲師』製作委員会、監督は長濱博史。原作を読んでいないので比較はできないのだが、原作に忠実にアニメ化されたという。本来漫画とアニメは異なる作品形態であるし、制作意図やスポンサー等々、外の事情で原作と異なる部分が相当あるのが普通。そういう意味では理想的な作品と言えるのでは。
 一話完結であり、主人公のギンコが行く先々で蟲退治等々の仕事をしたり、事件を解決したりするストーリーなので、ギンコ以外の登場人物は基本的にゲストキャラクター。ギンコに中野裕斗、語りに土井美加。
 物語の時代背景や場所は特定せずに、レトロな雰囲気の背景の中、民話調の語り口で物語は進む。ギンコは洋服で紙巻きの煙草をくわえているが、その他の登場人物は和服、その出で立ちの違いがギンコのを浮き彫りにしている。背景の描き方は物語とはマッチしているかもしれないが、余り好きになれない。第1話の「緑の座」の冒頭の部分で違和感を感じたからかもしれない。

およそ遠しとされしもの 下等で奇怪 見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達それら異形の一群をヒトは古くから畏れを含みいつしか総じて「蟲」と呼んだ。

 土井美加さんのナレーションで語られる「蟲」の説明、これは原作からの引用だそうだが、的確で作品を見るに当たっての予備知識としては十分だ。「異形の一群」を相手のギンコの活躍を描くが、テーマは人間の心の奥底に迫る秀作。DVDも順次発売中、お勧め。主題歌については、僕もまだ全話見ていないので全部見てからにしたい。


81.8MHz fmGIG が夜9時からお送りするムーンライト・ブレイク
月曜日はアニメ・特撮・ゲームについて語り
アニメソングをかけ倒す(?)120分です。
posted by KAZU at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション