2006年01月31日

「宇宙囚人303」

 テレビシリーズの「ウルトラセブン」でセブンが登場した時間が一番短いのが第7話の「宇宙囚人303」だ。
 宇宙ステーションV3が宇宙からの怪電波をキャッチする。V3に勤務する怪電波解読の権威・ミズノ隊員はその内容を解読して極東基地まで報告に降りてくる。マナベ参謀、キリヤマ体長の所へ来たミズノ隊員は「発信地はコスモポリタスの第8惑星キュラソです。読みます。“我がキュラソ星の犯罪者303号が宇宙に逃亡、凶悪な殺人鬼なれば発見次第殺害されたし。キュラソ連邦警察”以上です。」そこでマナベ参謀が「ミズノ隊員、そいつはもう地球に来ているよ」と返す。
 これより先に、小型宇宙船で地球にやって来たキュラソ星人は鳥撃ちに来ていたハンターを殺害、ガソリンスタンドを襲う。連絡を受けたウルトラ警備隊が急行して、宇宙船を破壊する。キュラソ星人はタンクローリーを襲って都内に侵入、防衛軍は夜間外出を禁止する。民家のガレージの車のガソリンを狙ったキュラソ星人は住民を人質にたてこもるが、一家の少年の機転で居場所を突き止めた警官隊とウルトラ警備隊が民家を包囲する。ウルトラ警備隊が踏み込むが一歩違いでキュラソ星人は裏口から脱出、連絡係でポインターに残っていたアンヌ隊員を操りポインターで現場から脱出してしまう。さらに極東基地に潜入、整備中のウルトラホーク1号のベータ号でアンヌ隊員を人質に取ったまま発進する。
 このエピソードはゲスト出演者が多いのがひとつの特徴。V3の隊員二人、ハンターが二人、ガソリンスタンドの店員が二人、襲われた民家の家族が5人。そして忘れられないのがガソリンスタンドにガソリン補給で立ち寄った外国人の女性。この当時は他のエピソードでもそうだが外国人はみな吹き替えだ。その吹き替えが不自然なのでちょっと笑ってしまう。「ガソリン、クダサイ」ここまではいいけど「ダレモイナイノカシラ」。独語は普通は母国語でしゃべるだろう?
 見どころはアンヌ隊員救出のためにベータ号にアルファ号とガンマ号が空中ドッキングを行う場面。「ウルトラ警備隊」の高らかなメロディでアルファ号とガンマ号が発進、さらにドッキング作戦時には幻の第二の「ウルトラセブン主題歌」をバックに流れる。
 アンヌ隊員救出後にキュラソ星人と争うダン。苦し紛れにキュラソ星人はベータ号内で口から火炎を放出して火災になる。切り離されたベータ号内で変身したダンがセブンになって飛び出し、地上でダンに戻る。その間約20秒。画面に映っていた時間は数秒だと思う。本当に短い主人公の登場の回だった。

posted by KAZU at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ウルトラセブン

2006年01月30日

「お料理行進曲」

 藤子アニメは人によって好き好きが大きいようです。僕はどちらかというと余り好きではないので主題歌の収集もそれほど多くはありません。中でも「キテレツ大百科」は1988年から1998年の足掛け10年の長きにわたって放映されたにもかかわらず、殆ど見ませんでした。この作品のあと番組が「こちら葛飾区亀有公園前派出所」でこちらも長寿番組になってますが。
 そんな「キテレツ大百科」ですが、1992年から足掛け5年オープニングに使用されたのが「お料理行進曲」です。今時なぜこんなに同じ曲が長期にわたって使われたのかは公式サイトに触れられていますが、制作側の事情だったそうです。最終回は既に1994年に制作されて放映終了の予定が後番組が決まらずにズルズルと延びたそうです。あまりにズルズルですね。よくもまあ制作会社が持ちこたえたものです。
 さてそういう事情は置いておいて、この「お料理行進曲」はかなりの傑作です。何といっても森雪之丞氏作詞の歌詞がおもしろい。そしてそれに本間あきひこ氏作曲のメロディがぴったりとはまってお見事です。編曲は平間あきひこ氏、うたはYUKAさん。メロディは行進曲なんですが、歌はポップ調。
 番組終了後にCDを捜したのですが、どうしても見つからない。シングルCDがあったのかさえもわからず、何とか収録CDを購入してフルコーラスでコレクションに加えました。「キテレツ大百科」はCD主題歌集も出ているので今全ての主題歌を聞き直してみると珍曲そろいです。


81.8MHz fmGIG が夜9時からお送りするムーンライト・ブレイク
月曜日はアニメ・特撮・ゲームについて語り
アニメソングをかけ倒す(?)120分です。
posted by KAZU at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション

2006年01月29日

「デビルマンレディー」



 以前ご紹介した「デビルマンレディー」。原作永井豪、製作ダイナミック企画・デビルマンレディー製作委員会。1998年の深夜にMBS系で放映された。全26話。少しだけ原作をかじってみたが、アニメ版の設定は原作とは幾分異なるようだ。キャストは不動ジュンに岩男潤子、アスカ蘭に嶋村薫ほか。
 「REBIRTH〜女神転生〜」は田村ゆかりさんが歌う第1期エンディング。久しぶりにCDを聞いてみた。渡辺俊幸作・編曲のオープニングテーマ「デビルマンレディメインテーマ」が不気味な音を刻むのに対して、エンディングは田村ゆかりさんのかわいい声が響く。深夜に聞くような音楽ではない感じがするが、物語が一話終った興奮と時計が午前二時を過ぎた眠気の混じった独特の気分が甦る。


81.8MHz fmGIG が夜9時からお送りするムーンライト・ブレイク
月曜日はアニメ・特撮・ゲームについて語り
アニメソングをかけ倒す(?)120分です。
posted by KAZU at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション

2006年01月28日

「怪傑ゾロ」

 ここのところゾロブームのようです。映画「レジェンド・オブ・ゾロ」が公開されて、かつてのゾロの映画もテレビで登場したり。「かいけつゾロリ」はこのブームには関係ないでしょうが、サンテレビで先般朝にアニメ版「怪傑ゾロ」が再放送されました。この作品1996年NHK衛星の「衛星アニメ劇場」で放映された作品だそうで、制作された全52話中46話が放映されたとか。今回の再放送では全52話が放映されて、運良く全話を見る事ができました。言うまでもなく原作はジョンストン・マッカレー、制作は葦プロダクション、製作は東宝のクレジットとなっています。
 時代はスペイン・ポルトガルがアメリカ大陸の実権を握っていた時代。南カリフォルニアの町が舞台。町はスペイン本国から派遣された軍によって牛耳られていた。大地主の息子ディエゴがスペインへの留学を終えて戻ってくるところからストーリーが始まる。軍の横暴に苦しむ人達を突然現れたゾロが、軍や後に町に進出してきた大商社・南インド貿易の企みから救う。
 ゾロであることを隠すためにドジなダメ息子を演じるディエゴに関俊彦。いち早くゾロの正体を見抜きリトルゾロとしてディエゴに協力するみなしごベルナルドに松本梨香。ディエゴの恋人でゾロに憧れる良家の娘ロリタに川村万梨阿。ロリタがゾロの正体を知るのは最終回の1話前。町の出身らしく、ディエゴたちに親しいゴンザレス軍曹に塩屋浩三。ディエゴの屋敷の使用人マリアに峰あつ子。南カリフォルニアの軍を掌握するのは総督だが、その総督をだまして、最後は亡き者にしようとするレイモン司令官に小杉十郎太。レイモンの部下で短気・軽薄な男、ガブリエル少尉に堀内賢雄。
 レイモン司令官は軍を自由に動かして、市民から税や食料を半ば強奪する形で搾取していくが、途中から南インド貿易がレイモンと組んで、裏で金儲けを企む。しかし軍にはマッカレー、プラシドといった不正を嫌う将校もいて、最終回ではゴンザレス軍曹も加わって総督を助け、レイモン達を逮捕していく。
 服を着かえて、覆面を着けただけの変装に「バレバレや!」と息子が言うが、全くその通り。バレない方が不思議なくらい。それは置いておくとなかなかの活劇でおもしろい。
 オープニングは「ZORRO」、有森聡美作詞、飛澤宏元作・編曲、歌は遠藤正明。エンディングは「誓い」で、同じく有森聡美作詞、飛澤宏元作・編曲、歌は遠藤正明。
posted by KAZU at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション

2006年01月27日

「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦 ! 南海の大怪獣」

 今日も古い映画の話におつきあいください。
 東宝の怪獣映画は「ゴジラ」でスタートを切りましたが、「モスラ」、「空の大怪獣ラドン」、「大怪獣バラン」、「宇宙大怪獣ドゴラ」など単一の怪獣が出現する映画がたくさんあります。これらの怪獣は後にゴジラシリーズに再登場します。モゲラなど造形の優れた物は全く別の形で取り上げられていますが、一昨年に「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」にゴジラに殺されたとみられる巨大生物としてカメーバが登場しています。
 このカメーバは1970年の東宝特撮映画「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦 ! 南海の大怪獣」に登場した怪獣。もう既にこの時点でゴジラはシリーズ化、大映では「ガメラ」シリーズが続く中での三大怪獣出現の映画でした。当時の記憶を掘り返すと雑誌などでは大きく取り上げられはしましたが、それほど人気があったようには思えません。しかしながら、造形は素晴らしく特に僕はガニメが大変気に入っています。ゲゾラは一番暴れ回った怪獣で着ぐるみ俳優中島春雄さんが演じたそうだ。しかしながらイカそのもの。カメーバはちょっと怪獣っぽいカメ怪獣だが、カメ好きの僕は当時マタマタと呼ばれるカメの種類を知っていたので、どうみてもマタマタそのもので興味がわかなかった。
 劇場では他のアニメ作品と同時上映だったそうだ。僕が見たのはずっと後の事。「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」よりもずっと海の怪獣の雰囲気のある作品で短いながらよくまとまっていると思う。この作品もネガティブな評が多くいのだが、そんなに悪くないと思う。怪獣映画としてもっと楽しんでみるべきものじゃないかな。
 キャストは久保明(工藤太郎)、高橋厚子(星野アヤ子)、土屋嘉男(宮恭一博士)、佐原健二(小畑誠)斉藤宜文(リコ)、小林夕岐子(サキ)ほか。
 参考までにあらすじを。木星の探査ロケットが南海のセルジオ島に事故で墜落。カメラマン、開発会社社員、科学者を含む調査隊が島へ向かうとそこにイカの怪物ゲゾラが出現。実は墜落したロケットと共にアメーバ状の生物が地球へやって来て、地球の生物にのり移って巨大化した怪獣だった。ゲゾラがコウモリの出現で逃げたり、イルカを嫌ったりするところから超音波に弱いことがわかっていく。
 いずれも調査隊の決死の攻撃で退治されていき、ゴジラなど自衛隊の火器が登場しないところが見物。また怪獣が街を破壊する場面はなく、ゲゾラが原住民の家を破壊するあたりはまた違った趣がある。
posted by KAZU at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2006年01月26日

まだ見ぬパイラ

 「ウルトラQ」に引き続き「ウルトラマン」が放映された頃、大変な怪獣ブームが到来しました。渥美清さん主演のテレビドラマ「ないてたまるか」にも怪獣にまつわるエピソードがあったりしました。この時のゲストは江利チエミさんでしたっけ。小学校低学年だった割に何故か覚えています。映像ではウルトラQの「ペギラが来た」の一場面が使われていました。雑誌には怪獣特集が組まれ、その頃講読いていた「少年画報」にも過去の作品の怪獣のスチール写真がたくさん紹介されていました。僕が古い映画の怪獣を知り得たのはこの頃の雑誌の力が大きいです。以前にご紹介した「宇宙大怪獣ドゴラ」もそうです。
 その中で目をひいた宇宙人のひとつが「パイラ」でした。ヒトデ形で真ん中に目玉がひとつ。他の怪獣たちとはおよそ違う雰囲気を持っていました。後から知ったのですが、このパイラのデザインはあの岡本太郎氏の手によるものだそうです。いやさすがとしか言いようがありません。
 パイラが登場するのが「宇宙人東京に現わる」という映画。1956年の大映の作品です。実は僕は今までこの映画を見る機会には恵まれませんでした。本に簡単に解説されていた内容と、調べた情報をまとめてあらすじをかきますと、「ヒトデ形宇宙人パイラは地球に接近してくる大彗星がやがて地球と衝突することを警告するためにやってくる。しかしその異様な姿から地球人とのコンタクトができず、やむを得ず彼らは地球人の女性の姿に化けてコンタクトをとり、やっと科学者にその事実を伝えることに成功した。しかし世界中の人々は誰も信じない。そこへ彗星が接近してくる。慌てた地球人が核爆弾を彗星に向かって発射するがその効果はなかった。パイラは“ウリウム101”という超兵器の開発は人類破滅につながるものだと警告しているが、それを使用して彗星を爆破して地球を救い去っていく。」というもの。
 先般DVDが発売されたそうで、何しろ僕が生まれる前の作品、どちらかいうとネガティヴな評が多いようですが、未だ見ぬパイラに是非一度会ってみたいと思っています。
posted by KAZU at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2006年01月25日

「はるかな地へ…」



 「風の谷のナウシカ」の音楽CDはたくさん出ている。様々なアレンジや組立てで音楽を楽しむことができるが、基本のサウンドトラックは「はるかな地へ…」だろう。
 これは1984年にアニメージュレコードから発売されたLPで、現在CD版が発売されていて聞くことができる。CDの方がデジタル音で持ち運びができて良いのだが、音源は別にすればジャケットの大きさはCDはレコードに太刀打ちはできない。解説が少し書かれているが、散りばめられた映画の場面のカットはそれひとつがCDのジャケットの大きさを越えているものがある。LPまるごとのCD化は時間も手間も必要なのでまだしていないのだけれど。
 さて、このLPには久石譲氏の手書きスコアの一部とサウンドトラックの3つのテーマの楽譜が掲載されている。



 最初が「風の伝説」。これは「ナウシカ」のメインテーマであり、映画のオープニングはこの「風の伝説」のテーマ曲から始まる。ゆったりとした、また重みもある曲。三連符、五連符の音の運びが印象的だ。



 二つ目が「ナウシカのテーマ」。明るく希望に満ちたテーマ。喜びや出発のシーンで使われている。映画ではエンディング曲のテーマとなっている。



 三つ目が「鳥の人」。この曲が使われているところで一番印象深かったのは、幼少のナウシカが王蟲の幼虫と戯れるシーンで流れるもの。王蟲の幼虫を取り上げられたナウシカが泣き叫ぶシーンが思い浮かぶ。その泣いているカットもジャケットに載っている。その他の場面でも様々なバリエーションで使用されている。

posted by KAZU at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション