2005年08月15日

「模造された男」

 「ウルトラセブン〜1999最終章」でご紹介していない作品はこれ一本だったと思うのだが、「模造された男」。テレビシリーズでウルトラセブンの手で倒すことの出来なかった怪獣(ロボット)のひとつ“キングジョー”が登場する。
 カジ参謀は軍事産業「新甲南重工」のカネミツ会長と協力し海底に沈んでいたキングジョーをサルベージして軍事ロボット化し地球防衛の要にしようと計画していた。防衛軍での参謀会議でその計画を提案、その筋の通った熱弁にタケナカ長官も賛同の意を見せた丁度その時に、NHKのニュースで新甲南重工がキングジョーをレスキューロボとして開発・復活させることを発表する。突然のカネミツ会長の裏切りにカジ参謀は烈火のごとく怒る。
 カネミツ会長の娘ハルカはアメリカ留学を望んでいたが、反対する父に話をするために新甲南重工の本社に父を訪ねる。その時にハルカは容赦なく下請け会社を切り捨てる鬼のような父を見て、そのまま帰ってしまう。ハルカが神社の石段で思い悩んでいると突然の地震が発生、境内の裏山に石柱が出現する。ハルカは石柱の一部を家に持ち帰る。実はこの石柱(ラハカム・ストーン)はムー大陸の人々が超能力の回復に使っていたもので、将来を懸念する人々の総意によって出現した。人の願い・思考をコピーして実現化する力を持つ。ハルカの願いで人に優しい父親が作り出された結果、カジ参謀に掌を返すことになる。
 カジ参謀の「消え失せろ」という願いで石柱はなくなったが、カジの人を疑う心がキングジョーを破壊ロボットとして甦らせる。ウルトラセブンの超兵器を一切受け付けなかったキングジョーだったが、アイスラガーでの連続攻撃についに倒れる。
 この作品の見どころはキングジョーとセブンの戦い。テレビシリーズよりも更にロボットらしい動きになったキングジョー。更に分離飛行はCGによって描かれている。そのスピードは新作であればこそ、意表を突く見事さ。セブンの連続アイスラッガー攻撃で胸部装甲が火花を散らし、最後は空中に停止したアイスラッガーを光線ではじき出してキングジョーを葬る。頭部に戻ったアイスラッガーが欠け落ちるシーンは実にリアルだった。
 ラハカム・ストーンの具現カネミツ・ユタカが「あなた方は自分の知っている枠組みに当てはめようとするばかりで、無限の時間の中にあることを知る魂の記憶に問いかけようとはしない」と人類を非難する。このシリーズのテーマ、カジ参謀=フレンドシップ計画の中核を成すエピソード。カジ参謀が愚かな人間に見えてこないだろうか。
 ゲスト出演者も面白い。カネミツ会長に河西健司、ハルカに原史奈、カネミツの母に風見章子、カネミツの妻に風祭ゆき、防衛軍参謀の面々に野口雅弘、中野剛、諏訪太朗ら。18歳の原史奈ちゃんの初々しい演技もご覧あれ。

posted by KAZU at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ウルトラセブン