2005年08月31日

エヴァンゲリオン〜世界の中心でアイを叫んだけもの

 昨日は「ヤシマ作戦」をご紹介しましたが、あの最後のレイの笑顔を何とか画像で紹介できないものかと画像検索で「綾波レイ」をググッてみました。するとアニメファンとしては許せないような画像が沢山出てきて、あまりの凄さに呆れて声も出ませんでした。確かに本編でも綾波レイの全裸姿は何度も登場しますが…。さて気を取り直して、今日は最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」を。
 ストーリーとしての謎解きが不十分でその点はまだまだ不満が残るのですが、作品の主題は何だろうと考えた時に最後の2話で十分結論を導き出しているようです。この点についてもネット上で検索すると熱く論じている方も多く見受けられます。僕は敢えて主題を言葉にしなくても十分伝わると思いますので、今日は最終話の最後の3分のキャラクター達のセリフをご紹介したいと思います。ちょっと長くなりますが、読んでいただければ作り手が何を言おうとしているのか見えてくるのではないでしょうか。

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トウジ「まあ、人一人が持てる世界観なんてちっぽけなもんや」
ヒカリ「だけど人はその自分の小さなものさしでしか物事を測れないわ」
アスカ「与えられた他人の真実でしか物事見ようとしない」
ミサト「晴の日は気分よく」
レイ「雨の日は憂鬱」
アスカ「と教えられたら、そう思い込んでしまう」
リツコ「雨の日だって楽しいことはあるのに」
冬月「受け取り方ひとつで、まるで違ったものになってしまう脆弱なものだ。人の中の真実とはな」
家持「人間の真実なんてその程度のものさ。だからこそより深い真実を知りたくなるのさ」
碇司令「ただお前は人に好かれるのに慣れていないだけだ」
ミサト「だからそうやって人の顔色ばかり窺う必要なんてないのよ」
シンジ「でも、みんな僕が嫌いじゃないのかな」
アスカ「あんたバカ、あんたが一人でそう思い込んでいるだけじゃないの」
シンジ「でも僕は僕が嫌いなんだ。」
レイ「自分が嫌いな人は他人を好きに、信頼するようにならないわ」
シンジ「僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で…」
ミサト「自分が分かれば、やさしくできるでしょう」
シンジ「僕は僕が嫌いだ。でも好きになれるかもしれない。僕はここにいてもいいのかもしれない。そうだ、僕はぼくでしかない。僕は僕だ。僕でいたい。僕はここにいたい。僕はここにいてもいいんだ」
(ここでシンジの内の世界が破壊されてみんなの姿が現れる)
みんな「おめでとう」(代わる代わる)
シンジ「ありがとう」
テロップ「父に、ありがとう」「母に、さようなら」「そして、全ての子供達に」「おめでとう」

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2005年08月30日

エヴァンゲリオン〜「ヤシマ作戦」

 やっと「新世紀エヴァンゲリオン」のTVシリーズの方を全部見ました。実におもしろかったです。この作品の主題は何かというあたりを最後の2話を見ながらじっくり考えてみたいものです。ストーリーの中の謎の部分はまだ劇場版を残しているので、僕自身はすっきりしないですね。エヴァンゲリオンをご覧になっていない方にはストーリーの概要とキャラクター、専門用語理解のためにまずはオフィシャルページをご覧ください。今日はTVシリーズ本編から。
 僕の一番気に入ったキャラクターはずっとこの「アニメの森」を読んでくださっている方には好みがお分かりだと思いますが、無口だけれどきっちり仕事をするタイプ、感情を表さないけれど時折行動の端々にそれが見え隠れするタイプ、「綾波レイ」ですね。声を演じるのは林原めぐみさん。実は余りめぐねえは好きではないんですけど。レイはピカイチです。
 零号機の専属操縦者で“ファーストチルドレン”と呼ばれ、開発当初から操縦者としての訓練を受けていました。物語の最初から謎めいた部分が多く、終盤になってその実体が明何なっていきます。
 綾波レイを描いたエピソードは「第伍話 レイ、心のむこうに」。シンジは父碇司令と楽しそうに話すレイを見かけたことからレイを意識するようになる。ある日、ミサトからレイに新しいIDカードを渡すのを忘れたので届けるように頼まれる。古びた集合住宅の一室、ノックしても返事がなくノブに手をかけると鍵がかかっていない。「綾波、入るよ」とシンジが部屋に入ると、家具らしきものは殆どないうす暗い部屋。ベッドサイドボードの上にあったひびの入ったメガネを手に取ると、後ろで物音が。シャワーを浴びていたレイが全裸で立っていた。あわてて言い訳するシンジの手にメガネを見たレイはそれを奪い返すように取ると、シンジの鞄がボードにひっかかって二人は重なるように倒れる。あわてまくるシンジに対してレイの発した言葉は「どいてくれる」。シンジの前で平然と着替えるレイ。ファーストチルドレンの異常さを表したシーン。
 次話「第六話 決戦第3新東京市」の最後が印象的だった。加粒子砲を放つ第5の使徒「ラミエル」を倒すべくミサトが立案した作戦が「ヤシマ作戦」。敵射程外から陽電子砲の超長距離射撃で撃滅する作戦で、日本中の総電力を使い1億8000万kWの陽電子砲をぶっ放つ。この「ヤシマ作戦」ネーミングが粋ですね。平家物語の屋島の合戦、那須与一の話を引いているんですよね。射撃は初号機シンジ、バックアップは零号機レイ。作戦遂行直前レイはシンジに「さようなら」と告げて零号機に乗り込む。レイは一射目が干渉によって外れた直後、二射チャージまでの間、使徒の加粒子砲を耐熱光波盾を使って初号機を死守、シンジは二射で見事使徒を殲滅する。シンジは大破した零号機からエントリープラグを排出し、L.C.L.を廃棄して、高温のハッチを開ける。「綾波大丈夫か」「戦いの前にさよならなんて言うなよ」と涙を流すシンジに「こんな時、どんな顔したらいいかわからない」というレイにシンジは「笑えばいいんだよ」。この時の綾波レイの笑顔は素敵でした。
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2005年08月29日

「最強ロボダイオージャ」



 「最強ロボダイオージャ」は「まんが水戸黄門」と同じく1981年に放映されたアニメ作品、全50話。こちらはSFロボットものです。制作は日本サンライズ、創通エージェンシー、名古屋テレビというちょっと変わったクレジット。音楽は渡辺宙明さんが担当している。そのせいか子供向けロボットアニメにしては音のノリが大変よくてオープニングもエンディングも25年経った今、めったに聞くことはないがよく覚えている。スッと入ってくるメロディだ。
 多くの惑星諸国を統合して支配するエドン王国。この王国では次の王になる者には全ての領土である惑星諸国を回る視察の旅に出なければならないという掟がある。16歳になった国王の息子エドワード・ミトにもその視察の旅の出発の時がやってきた。城での生活にうんざりしていたミト王子は部下にデューク・スケード、バロン・カークス、フローラ・シノブを伴い、喜び勇んで旅に出る。身分をかくして諸惑星を歴訪、庶民を苦しめる悪人を最強ロボダイオージャで成敗する。とまあ水戸黄門のSF版。キメのセリフは「悪に染まりし者どもよ、今こそその眼でしかと見よ」
 キャストはエドワード・ミトに古川登志夫、デューク・スケードに石丸博也、バロン・カークスに西村智道、フローラ・シノブに高木早苗、バルジャンに永井一郎ほか。
 オープニングは「最強ロボダイオージャ」で、伊藤アキラ作詞、渡辺宙明作・編曲、歌はたいらいさお。エンディングは「ヨカッタネ宇宙」で作詞、作曲、編曲、歌ともにオープニングと同じ。

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2005年08月28日

「ゴジラ対ヘドラ」

 「ゴジラ対ヘドラ」は1971年に公開・上映されたゴジラ映画。今見ると85分の大作で大変おもしろい映画なのだが、当時はちょっと人気がなかった。僕も映画館で見ようとは思わなかった。理由その1「東宝チャンピオンまつり」として子ども向け映画と同時放映で内容が信用できなかったこと。理由その2、ヘドロから生まれたヘドラという実に安直な怪獣のネーミング。理由その3、これが一番大きかったのだがゴジラが空を飛ぶ能力を得たこと。タツノオトシゴのように尻尾を腹側に曲げてC字形になり口から放射能火炎を噴いてジェット推進で飛ぶんですよ、あほらしい。今でもこれだけはあほらしいと思ってますが。
 評価ががらっと変わったのは3年程前。息子にゴジラ映画を全部見せてやろうと、古いものから順に借りて、生涯二度目に見た時。円谷英二氏がなくなり、この路線が縮小一方の時代にスタッフが苦心して作られたそうで、当時問題になっていた公害と若者の無気力をテーマにしている。一部のファンには大変に評価の高い作品。ファンサイトもあるくらいです。冒頭にヘドロの海、ゴーゴーを踊る若者達が映り、「水銀、コバルト、カドミウム」と重金属の名前が並ぶ妖艶な女性の声によるオープニングを聞いた時に、「これ子供の見る映画か」と思ってしまいます。
 海難事故が続き、カメラに海坊主のような怪物の姿が捕らえられていたある日、海洋学者の矢野博士のところにオタマジャクシのような生物が届けられる。ヘドロの海の中で行きている鉱物質の未知の生命体で、海で目撃されている怪物も同種のものと断定される。上陸したヘドラは陸上の工場のスモッグをも吸収して巨大化する。突然出現したゴジラがヘドラと戦うが、半液体のヘドラに放射能熱線も通用しない。博士の提言で自衛隊は巨大な電極と首都圏の総電力を使ってヘドラを乾燥して退治しようとするが、突貫工事、電力容量オーバー、ゴジラの介入等があって一旦は失敗する。ゴジラとヘドラの対決はかなり過激でヘドロでゴジラの身体は焼けただれ、逆上したゴジラがヘドラの身体を引きちぎる。最後は乾燥したヘドラの中からゴジラが目玉?状の球体をもぎ取って勝利を納める。
☆キャスト
 海洋学者矢野徹に山内明、徹の妻敏江に木村俊江、徹の息子研に川瀬裕之、敏江の弟毛内行夫に柴本俊夫、妖艶な声で主題歌うダンサー富士宮ミキに麻里圭子ほか。
☆主題歌
「かえせ!太陽を」作詞:坂野義光、作曲:真鍋理一郎、歌:麻里圭子
「ヘドラをやっつけろ!」作詞:坂野義光、作曲:すぎやまこういち、編曲:高田弘、歌:麻里圭子
 機会がありましたら是非、公害問題に沸く70年代のゴジラ作品ごらんください。
posted by KAZU at 10:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2005年08月27日

アギト(12)〜Project G4

 「仮面ライダーアギト」の最後に劇場版「Project G4」をご紹介。
 この作品はテレビシリーズ放映中の2001年の夏公開。仮面ライダー誕生30周年の記念作品としてスペシャルゲストも迎えて見応えのある作品に仕上がっている。長くなるのであらすじとキャストは Read More にて。
★見どころ1
 紗綾香が両親とピアノの発表会の当日事故に遭う場面。紗綾香の心の中の想い出のシーン。絵に描いたような家族の幸せな姿。父はうじきつよし、母は渡辺典子。時間にしてほんの2、3分。父親が娘におまじないをするところで思わず背中がむずむずします。お父さんがうじきさんですよ。渡辺典子さんは意外と特撮に出ていたりします。
★見どころ2
 深海理沙は設定では25歳。わずか25歳で一尉程度の階級で一体なにができるねんと言いたい。小沢澄子はIQ180の天才、警部であの待遇ですよ。もし深海に実力があるなら自分がデータを盗みにはいかないでしょう。その深海理沙が尾室を誘って焼肉屋へ行き、泥酔させた上にパソコンのパスワードを聞き出す。私服でかわいい女を演じるところがなかなかいいです。そんな彼女にイチコロのぶざまな尾室。
★見どころ3
 仮面ライダー生誕30周年ということでスペシャルゲストに藤岡弘が警視総監として登場。もともとアクション俳優の藤岡さんが加齢とともに貫祿もつけて画面に登場しただけでその存在感は他を圧倒している。小沢澄子とは旧知の様子。「私のできないことを、今君たちがやれ」と言葉少なに翔一と氷川の肩をたたいて去る。目の表情がさすが。
★見どころ4
 クィーンに腕を切り落とされ進化するギルス、真魚の呼びかけに進化するアギト、両仮面ライダーの最後の戦いの場面。「生」に賭ける二人のパワーアップでアントロード隊長とクィーンを葬り去る。ここは是非映像をご覧ください。
★見どころ5
 G4との最後の死闘をGトレーラーからG3に指示を出す小沢澄子の姿。「G3として戦ったのでは勝ち目はないわ。氷川誠として戦いなさい」とアドバイスする。何とも抽象的な指示。性能は相手が上だから根性で戦いなさいと言っているようなものだが、氷川はマスクを外して戦い、限界に達したG4にとどめを刺す。「G4システム、完全に停止しました」。氷川からの報告を受けた小沢の顔の表情を見せない背中だけの演技がなかなか素晴らしいです。
 この作品の主題は「生」。冒頭の場面でアントロードにより重傷を負った水城史朗はG3の戦いを見る。「死」を背負うことによって人は最大の力を発揮すると主張する水城。水城は氷川にあかつき号事件で死を覚悟したからこそ一人で乗員乗客を救出することができたと言う。悩む氷川は翔一に尋ねる。翔一に尋ねるのは間違いだと思うが、翔一は「生はおいしい」と答える。翔一らしい。生きてこそ人はその力を発揮する、それが作り手が一番伝えたかったことだろうと思う。Read More
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2005年08月26日

「燃える!お兄さん」



 「燃える!お兄さん」は週刊少年ジャンプに連載された佐藤正の同名漫画を原作に、1988年日本テレビ系列で放映されたアニメ作品。制作は東宝・スタジオぴえろ、全24話。
 国宝ケンイチは物心つかない頃、山中で家族と離れ離れになってしまう。山の爺ちゃん“玄米茶”に拾われたケンイチは、同じく拾われたかえでと共に山の中ですくすくと育つ。山の爺ちゃんは屈指の強さを誇る空手家でケンイチはこの爺ちゃんを目標に空手に精進する。ところがある日、爺ちゃんはケンイチに、お前は是羽市是羽町に住む国宝憲吉の息子だと聞かされる。なぜ爺ちゃんがそれを知っていたかというと、ケンイチを拾った時の服に住所と名前が書いてあったそうだ。怒ったケンイチは爺ちゃんを張り倒し、義理の妹のかえでとも別れて本当の家族を捜して町に出る。今まで文明に触れたことのなかったケンイチにとって町はわからないことだらけ。様々な騒動を起こす。強靭な肉体と最強の空手、ぺしゃんこになってもゴム人間の如く元に戻るケンイチは機動隊との乱闘になるが全く勝負にならない。機動隊は必死の攻撃でやっと彼を捕らえることに成功、この事件でもって家族と再会する。こういうはちゃめちゃなストーリー。
 国宝ケンイチに矢尾一樹、ケンイチの本当の妹雪絵に本田知恵子、父憲吉に緒方賢一、弟賢二に松岡洋子、山の爺ちゃん玄米茶に松岡文雄、ヤクザの息子で後の相棒火堂害に池田秀一、義理の妹かえでに林原めぐみ、ほか。
 80年代のアニメは全編見たものは少なくて、この作品もかじった程度に過ぎない。しかし、ムチャクチャな強さが魅力だった。ケンイチのペットは狼のフリッパーで、こいつも喋ります。おまけに狼なのにマタタビに弱いという設定。「バカバカバカバカわしのバカ」という憲吉のセリフが妙に頭に残っている。これ漫画で読んだのか記憶が交錯しているが、はて?。
 オープニングは「ドリーミー・ドリーマー」で作詞、作曲、歌が石川優子、編曲が瀬尾一三。 エンディングは「時を置いて」でこちらもスタッフは同じ。二曲とも石川優子さんの歌が爽やかで心地よい。 最盛期の石川優子さんの声と比べるとちょっと声に張りがないのが残念だ。特にエンディングの「時を置いて」は素晴らしい曲です。僕は今でも時々口ずさむ。覚えやすい曲なので一度聞いてみてください。
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2005年08月25日

「まんが水戸黄門」



 「まんが水戸黄門」はテレビドラマ人気にあやかってか、1981年に「水戸黄門」のアニメ版としてテレビ東京系列で放映された。内容を子ども向けに設定し、さらに面白おかしく、演出も大げさ。特に印籠を出すシーンは「巨人の星」の左門豊作のシーンでバックに鯨が出現するような、葵の御紋がバーンと出ます。劇画調でないのが笑えるところですが。勧善懲悪、子供に訴える主題をもってきて、それなりに描ききった。制作はテレビ東京・ナック、全46話。
 キャストは水戸黄門に杉田俊也、助三に鈴置洋孝、角之進に池田勝、捨丸に松岡洋子、鈍兵衛に竜田直樹とややマイナーのところでかためている。角助の二人はどうみてもあの魔球を投げる投手とその相棒。
 オープニングは「ザ・チャンバラ」。荒木とよひさ作詞、土持城夫作曲、羽田健太郎編曲、歌は塚田三喜夫。時代劇を微塵も感じさせないモダンな音運び、イントロを聞くとSFものかと思ってしまう。ハネケンさんの編曲が光ります。エンディングは「ビューティフルモーニング」で荒木とよひさ作詞、羽田健太郎作・編曲、歌は塚田三喜夫。こちらは爽やかなメロディ。オープニングにしてもいいかなと思うくらい。歌詞がすばらしい。このアニメがマイナーなために埋もれてしまっているがなかなかの秀曲だ。

 鳥は光を食べて生きている
 雲は空を泳いで生きている
 ビューティフルモーニング
 生まれたての朝
posted by KAZU at 07:19| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメーション