ストーリーとしての謎解きが不十分でその点はまだまだ不満が残るのですが、作品の主題は何だろうと考えた時に最後の2話で十分結論を導き出しているようです。この点についてもネット上で検索すると熱く論じている方も多く見受けられます。僕は敢えて主題を言葉にしなくても十分伝わると思いますので、今日は最終話の最後の3分のキャラクター達のセリフをご紹介したいと思います。ちょっと長くなりますが、読んでいただければ作り手が何を言おうとしているのか見えてくるのではないでしょうか。
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トウジ「まあ、人一人が持てる世界観なんてちっぽけなもんや」
ヒカリ「だけど人はその自分の小さなものさしでしか物事を測れないわ」
アスカ「与えられた他人の真実でしか物事見ようとしない」
ミサト「晴の日は気分よく」
レイ「雨の日は憂鬱」
アスカ「と教えられたら、そう思い込んでしまう」
リツコ「雨の日だって楽しいことはあるのに」
冬月「受け取り方ひとつで、まるで違ったものになってしまう脆弱なものだ。人の中の真実とはな」
家持「人間の真実なんてその程度のものさ。だからこそより深い真実を知りたくなるのさ」
碇司令「ただお前は人に好かれるのに慣れていないだけだ」
ミサト「だからそうやって人の顔色ばかり窺う必要なんてないのよ」
シンジ「でも、みんな僕が嫌いじゃないのかな」
アスカ「あんたバカ、あんたが一人でそう思い込んでいるだけじゃないの」
シンジ「でも僕は僕が嫌いなんだ。」
レイ「自分が嫌いな人は他人を好きに、信頼するようにならないわ」
シンジ「僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で…」
ミサト「自分が分かれば、やさしくできるでしょう」
シンジ「僕は僕が嫌いだ。でも好きになれるかもしれない。僕はここにいてもいいのかもしれない。そうだ、僕はぼくでしかない。僕は僕だ。僕でいたい。僕はここにいたい。僕はここにいてもいいんだ」
(ここでシンジの内の世界が破壊されてみんなの姿が現れる)
みんな「おめでとう」(代わる代わる)
シンジ「ありがとう」
テロップ「父に、ありがとう」「母に、さようなら」「そして、全ての子供達に」「おめでとう」
