「マッハGoGoGo」は1967年タツノコプロの制作のスーパーカーアニメ。タツノコプロ第2作目のアニメにして初のカラー作品(僕はカラーでは見たことがないが)。レーサーの三船剛と愛車マッハ号の活躍を描く。原作は吉田竜夫(タツノコプロ創設者)の漫画「パイロット・エース」。全52話。
マッハ号開発者の三船大助は新型エンジンの開発を会社に反対されて辞職、独立して三船モータースでエンジンの開発に取り組む。その資金を確保するため大助の次男剛はレーサーになることに反対する父親に内緒でレースに出る。ところが新型エンジンの設計図がマッハ号のフロント風防に特殊インクで描かれていることを知った会社が設計図を盗むために剛とマッハ号を狙う。
物語の興味としては剛を助ける謎の覆面レーサー。レーサーになると言って家を飛び出した剛の兄研一がその正体だが、実は国際諜報部員だった。それが明らかになるまでがおもしろくて見た人も多いとか。
僕は年齢的にも小さかったので興味はマッハ号の特殊装備でいつ出るかと楽しみだった。ハンドルの中央にあるA〜Gの七つのボタンを押すと特殊装置が飛び出す。オープニングの映像にもあるが、自動的に飛び出すオートジャッキ(A)でマッハ号はジャンプする。前方の障害物をなぎ倒して走るカッター(C)、防弾ガラスの密閉風防(D)、マッハ号から発進する小型鳥形メカ(G)、あとはベルトタイヤ(B)--これは少しだけ記憶に残ってます--他にイブニングアイ(E)、フロッグ装置(F)。水中走行もできるが、水上の様子をみるのはバックミラーが片方水上に出てもう一方に映像を写すというもの。潜望鏡の代わりです。
キャラは三船大助、剛、研一の他に剛の弟のくりお、ペットのチンパンジー三平、剛のガールフレンド志村ミチ(ミッチー)が印象深い。
オープニング「マッハ・ゴー・ゴー・ゴー」は吉田竜夫作詞、伊藤アキラ作曲、越部信義編曲で二番までのフルコーラス、軽快なリズムとアフリカのサバンナを走行する間奏部でのマッハ号のジャンプが見物だった。
2005年05月31日
2005年05月30日
「アローエンブレム・グランプリの鷹」

タツノコプロがめでたく40周年を迎えた。タツノコプロというと第1号アニメは「宇宙エース」、これはタツノコファンには忘れ得ない作品。初期の作品の中にあの「マッハGoGoGo」がある。スーパーカーが飛び出すアニメとしてはやはり第1号だろう。その後もスーパーカー物はたくさん作られたが、特に昭和50年代の初め頃レーシングブームがあり、「F1」なんて言葉が一般にも知られるようになった。その頃作られたのが「アローエンブレム・グランプリの鷹」だ。
「アローエンブレム・グランプリの鷹」は1977年、東映動画による制作でフジテレビ系列で放映された、全44話。レーサー物としてはおそらく一番人気なのではないかと思う。内容が非常にハードで一般には余り知られていないレーサー社会を扱ったものとしても評価が高いようだ。これ以前の「激走ルーベンカイザー」、「マシンハヤブサ」などのようにちょっぴりSF的要素が入っているものと違いメカはあくまでも実際に存在する「車」。造形もキャラクターもハード。
キャラクターは轟鷹也に富山敬、逢瀬すず子に小山まみ、大日方勝に野田圭一他に野沢雅子さんや吉田理保子さんが出ていたように思うが。いずれも寡黙で控え目な印象を与えるが行動は大胆で果敢でアクションものとしても楽しめる。ただ轟鷹也はこの時期の主人公としては一般的な顔で特徴がない。かえって逢瀬すず子の方が印象が強かった。
オープニングは「グランプリの鷹」。作詞は保富康午、作・編曲は宮川泰、歌は水木一郎とフィーリング・フリー。短い曲だが水木一郎さんの熱唱。保富康午さんはレーシングに詳しいそうで歌詞にレーシング用語が出てきたりする。音の運びは難しくて素人にはちょっと歌い難い。エンディングは「レーサーブルース」こちらはスローテンポで覚えやすい。「すてきなあの子は俺のピットさ 待ってておくれよ勝負つくまで」当時ピットってコックピットのことだと思っていたから、ここの意味がわからなかった。
2005年05月29日
「宇宙空母ブルーノア」

「宇宙空母ブルーノア」は1979年、「宇宙戦艦ヤマト2」の後ヤマト制作スタッフの新たなる作品として読売テレビ系列で放映された。全24話。やや年齢の高いところを見据えて作られたということもあってストーリー展開は僕好み。ところが子供というのはせっかちなものだから「ダンガードA」を見てもわかると思うが、ストーリーが遅々として進まないSF冒険活劇は人気が出ない。評価が低かった最大の原因は「宇宙空母」とタイトルにうたっているにもかかわらず海を航海するばかりで宇宙へ飛ばなかったことと言われている。しかし、この物語は「宇宙空母」誕生までのいきさつを描いたもので宇宙での活躍を描いたものではないのだ。ストーリー展開及び画については満足できるものながら、どうも描き方に問題があったようで視聴率も上がらず、見事撃沈である。惜しい作品だ。
オープニングおよびエンディングを歌うのは当時久々に躍り出た川崎麻世。作詞は山上路夫、作曲は平尾昌晃、編曲には船山基紀とヒットメーカーを揃えている。特にオープニング「宇宙空母・ブルーノア−大いなる海へ−」はなかなか聞きごたえのある曲だ。収録CDもまだ手に入れることができるので機会があれば一度聞いてみては。カラオケもあるという情報も得ている。歌詞は「海原」、「海」、「波」、「船底」とあくまでも海を舞台にしていて、宇宙ではない。エンディング「夜間航海(ナイトクルーズ)」は「宇宙戦艦ヤマト」のエンディング「真っ赤なスカーフ」を思い出させる歌謡曲調で、こちらも「甲板」、「波」、「夜光虫」、「海」、「潮風」と宇宙はない。
2005年05月28日
「愛の生命 (いのち)」

あなたが一番だと思うアニメソングは?と質問されて「○○です」と即答できる方は、そのアニメやその曲に何らかの思い出や思い入れがある方だろうと思います。僕などはそんな質問されるとあれこれ思い浮かんでパニック状態になってしまう。勿論僕にも思い出の曲はあるわけですが、それ以上にアニメの主題、歌詞、歌手、メロディ、編曲、番組とのマッチングなど客観的な方向へ目が行っていまうのです。
そんな中で一番だと断言はできませんが、常に上位に入る、僕の頭の中に浮かんでくるのが「愛の生命」です。この曲は1980年の劇場版作品「ヤマトよ永遠に BE FOREVER YAMATO」の挿入歌として使われたもので、実は岩崎宏美さんが歌っています。レコードの方も同じくこの映画の主題歌である「銀河伝説」とカップリングされてB面に収録されています。「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌は音楽担当である宮川泰氏の手によるものが多い中で、「愛の生命」は作詞が山口洋子、作曲が浜田金吾、編曲が戸塚修となっており異色の曲なのです。
ところが、僕はこの岩崎宏美さんの歌うものには興味がないのです。最初にレコードで聞いたのは堀江美都子さんのカバーによるもの。これは何度聞いても震えがくるほど、本家の岩崎さんを越える名唱です。このレコードを何度も聞いているうちに、「愛の生命」=堀江美都子のイメージが定着してしまいました。
「宇宙戦艦ヤマト」の主題は「愛」です。「愛」の表現の仕方は様々、ヤマトのキャラクターたちが見せる「愛」の形が常に正しいものとは言えませんが、ひとつの「愛」の形であることは確かです。歌詞はずばり「愛」のひとつの形を歌っています。
また逢いましょうね 闇夜の果てに
この部分の堀江美都子さんの声はその前の部分で静かに高まってきた気持ちを、ポンと天に届けるかのごとく素晴らしく澄んだ高音部の絶唱です。
堀江美都子さんのCDでこの曲を収録したものはたくさんあり、またヤマトの主題歌集にも収録されているものがあり、手に入れることが可能です。是非聞いてみてほしいアニメソングのひとつです。
2005年05月27日
「宝島」

「宝島」はご存知ロバート・スチーブンソンの名作です。名作故に何度も映画化、アニメ化されています。一番最近のアニメ化は「どうぶつ宝島」でしょうか。僕は登場人物を動物に代えるパターンは好きではないので「どうぶつ宝島」は見なかったです。で、アニメの「宝島」といえば1978年に日本テレビ系列で放映されたものが真っ先に思い浮かびます。名作といえどもアニメ化されるにあたっては時代背景や社会の要求に沿って作られますから原作にないキャラクターやエピソードなども取り入れられます。子供向けということで笑いの多い冒険物語になっています。全26話。
キャストはジム・ホーキンズに清水マリさん、ジョン・シルバーに若山弦蔵さん、それからカレンに前田敏子さん、リリーに吉田理保子さん等々。中でもシルバーの若山弦蔵さんの声は渋かったです。子ヒョウのベンボーでしたっけ、あれは原作には出てきません。しかしジムの相棒としてなかなか活躍しています。原作以外のキャラクターを認めない人にはうるさい存在ですけどね。
音楽担当は羽田健太郎さんですが、オープニングがスゴイ迫力です。「宝島」、 岩谷時子作詞、羽田健太郎作・編曲で、歌は町田義人さん。岩谷時子さんの素直な歌詞にドンピシャの素晴らしいメロディ、冒険活劇にふさわしい見事な編曲です。これはお勧め。何度聞いても飽きないアニメソングのひとつだと思います。エンディングは「小さな船乗り」。こちらも町田義人さんの声が光る静かな名曲。
2005年05月26日
野球狂の詩「北の狼、南の虎」

ある夜一人の女が双子の赤ん坊を捨てます。この女はせめて自分の子供が裕福な家庭に拾われることを願って、大きな屋敷の前に捨てるのです。たまたま通りかかった男が赤ん坊の泣き声に気づき二人の内の一人を拾い上げます。もう一人はこの屋敷の王島家に引き取られることになります。この女は自殺しますが、一命をとりとめます。それから十数年。
通りがかりの男は北海道のヤクザ火浦。この男に拾われた赤ん坊は健と名づけられ野球を始めます。北海道きっての名投手に成長した健でしたが、父親がヤクザということで野球部員を続けることができなくなります。そして息子のためにヤクザをやめたいと言った父親は殺され、健は父の仇打ちで三年間の少年院暮らしとなりました。その後更正した健は「東京メッツ」にテスト生として入団し、主力投手となっていきます。
一方、王島家に引き取られた赤ん坊は大介と名づけられて、父親の会社の倒産で九州へ渡ります。その後事業は持ち直し、富豪のお坊ちゃんとして何不自由なく成長していきます。そして野球を始めて天才打者として阪神タイガースに入団します。
健は調子のいい時であっても、なぜか大介に球筋を読まれて打たれてしまうということが続き悩みます。(ここのいきさつが記憶が確かでないので間違っていたらどなたか教えてください。)悩んで荒れていた健はいつもお世話になっているおばさんのやさしい言葉に救われます。赤ん坊の時に負った火傷の痕と子供を捨てた直後にすれ違った男の風貌が健の父親に似ていたことから、このおばさんは健が昔自分が捨てた双子のひとりであることに気づきます。そして感動の親子の再会。母は自分が捨てた邸宅の表札が「王島」であることを覚えており、健は大島大介が双子の弟であることを知ります。そして自分が球筋を読まれるのは同じ思考、同じ勘を持つ双子のためだということを悟り、心を封印して大介に立ち向かい討ち取ることに成功します。
僕は水島野球アニメの中で「野球狂の詩」が一番好きです。柔らかなタッチで描かれた画の中でストーリーはとてもクールなのです。この後、名乗り出て母子三人で暮らそうという母に健は幸せに暮らしている大介に何も言う必要はない、このままにしておこうと母子二人で暮らし始めるのです。「北の狼・南の虎」は前後編の二話完結、水原勇気シリーズ終了後の名エピソードです。僕個人としては水原勇気シリーズが一番なのですが、その後のエピソードはメッツの各選手の生き様を描いており欠くことのできないものです。
「北の狼、南の虎」このエピソードのために二つの主題歌が作られています。ひとつは「北の狼、南の虎」。橋本淳作詞、中村泰士作曲、萩田光雄編曲、歌は水木一郎。一番は「弟よおまえは幸せをつかんでほしい」と健が大介に語りかける内容、二番は「名も知らぬ兄貴よ微笑をうかべてほしい」と大介が健に語りかける内容になっています。イントロと最後の「北の狼、南の虎、おれたちのあだ名さ」のところは激しく高らかに歌いますが、哀愁の漂う曲。もうひとつは「かあさんの灯」で作詞、作曲、編曲、歌ともにオープニングと同じです。こちらは健が物語の最後にかあさんと再会して幸せをつかむ、文字通りエンディングに流れた心あたたまる曲。「旅の終わりの終着駅でかあさんの灯に、ム‥ふれたよ」としめくくってます。
2005年05月25日
「ぼくとマリの時間旅行」
NHK少年ドラマシリーズも放映開始から10年経つと最初の頃に見ていた人でも見なくなっているということも多いかと思う。僕自身、最初は中学生だったが、大学生になっていたからだんだん見る機会が少なくなった。僕にとっては最後にみた作品が「ぼくとマリの時間旅行」になる。
「ぼくとマリの時間旅行」は少年ドラマシリーズで1980年に放映された、全4話。原作は小松左京の「時間エージェント」。この原作もジュブナイルではないのでコミカルな部分もあるものの、ハードな部分、大人の部分がある。タツオは20世紀の人間で、マリは未来人。そのせいで様々なおもしろいやりとりがある。ベッドの中でタツオが絶頂寸前のマリに本当の年齢を言わせ、タツオがぶっとぶ場面とか。テレビではそういうところを省略しているので少し物足りない。
時間管理局東京支部20世紀支所の日常を描いている。ぼろぼろのロッカーがタイムマシン。他の支部、支所から様々な姿をした時間管理局員が様々な問題をかかえてやってくる。その依頼で変装してタイムマシンに乗り込み事件や事故を解決する。概ねコミカルなストーリー展開になっている。所長に宍戸錠、タツオに石橋正次、マリに高瀬春奈、支部長に蟇目良。主にタツオとマリが出張して仕事にあたるが、ピンチの時に所長が出動する。特撮らしい特撮がないのは残念。原始人が現代に迷い込み小便小僧の水を飲む場面を覚えているが気持ち悪かった、笑えませんでした。
ちょっと間の抜けたSF作品だがそれなりに楽しめた。原作の方は文庫で読めるのでそちらも楽しんでみてはいかがだろう。
少年ドラマシリーズのSF作品をご紹介してきたが、一応これでペンを置きたいと思う。他にはメルヘンチックな「少年オルフェ」、一話で完結した「11人いる」といったSF作品もあるが、ちょっと特撮とは言い難い。別の機会にリクエストがあればご紹介してみたいとは思うが。
「ぼくとマリの時間旅行」は少年ドラマシリーズで1980年に放映された、全4話。原作は小松左京の「時間エージェント」。この原作もジュブナイルではないのでコミカルな部分もあるものの、ハードな部分、大人の部分がある。タツオは20世紀の人間で、マリは未来人。そのせいで様々なおもしろいやりとりがある。ベッドの中でタツオが絶頂寸前のマリに本当の年齢を言わせ、タツオがぶっとぶ場面とか。テレビではそういうところを省略しているので少し物足りない。
時間管理局東京支部20世紀支所の日常を描いている。ぼろぼろのロッカーがタイムマシン。他の支部、支所から様々な姿をした時間管理局員が様々な問題をかかえてやってくる。その依頼で変装してタイムマシンに乗り込み事件や事故を解決する。概ねコミカルなストーリー展開になっている。所長に宍戸錠、タツオに石橋正次、マリに高瀬春奈、支部長に蟇目良。主にタツオとマリが出張して仕事にあたるが、ピンチの時に所長が出動する。特撮らしい特撮がないのは残念。原始人が現代に迷い込み小便小僧の水を飲む場面を覚えているが気持ち悪かった、笑えませんでした。
ちょっと間の抜けたSF作品だがそれなりに楽しめた。原作の方は文庫で読めるのでそちらも楽しんでみてはいかがだろう。
少年ドラマシリーズのSF作品をご紹介してきたが、一応これでペンを置きたいと思う。他にはメルヘンチックな「少年オルフェ」、一話で完結した「11人いる」といったSF作品もあるが、ちょっと特撮とは言い難い。別の機会にリクエストがあればご紹介してみたいとは思うが。