2005年02月28日

「鋼鉄ジーグ」

 「鋼鉄ジーグ」はマグネロボシリーズ第1作目として1975年に放映された日本古代史をモチーフにしたロボットアニメ。原作は永井豪、作画は安田達矢、制作は東映アニメーション。先にご紹介した「マグネロボガキーン」と比べるとキャラクターはガキーンの方がすきなのだが、ロボットの完成度が高い。特に関節部分がマグネットということでフィギュアもそのように作られていて今もって人気の高いものだ。放映から20年もたって復刻版が出る位だから人気の程も想像できると思う。
 かつて古代日本を支配していた邪魔大王国が復活し、女王ヒミカが日本を征服しようとたくらむ。それを察知した司馬博士は邪魔大王国に対抗するためにロボット基地「ビルドベース」とロボット「鋼鉄ジーグ」を作ったが、博士が発掘した秘密の銅鐸を狙うヒミカの送り込んだハニワ幻人に殺されてしまう。しかし博士の意思はコンピューターに格納されマシンファーザーとして指示を出す。一方レーサーだった博士の息子宙(ひろし)は事故で瀕死の重傷を負うが、父の指示でサイボーグとして甦り、その体内には秘密の銅鐸を擁している。変身してサイボーグ化し、さらに膝を抱えて空中回転で鋼鉄ジーグの頭部に変身、卯月美和の操縦するビッグシューターから排出されるパーツと合体して鋼鉄ジーグとなる。
 主題歌はオープニングに水木一郎の歌う「鋼鉄ジーグのうた」、エンディングには同じく水木一郎の歌う「宙のテーマ」。両曲とも水木一郎OTAKEBIの名曲。「鋼鉄ジーグのうた」の方は擬音語が多いので有名。こちらで歌詞とメロディが公開されています。(注意:いきなり音が入るので気をつけてください)「宙のテーマ」はオープニングにしてもおかしくないくらいのノリのいい曲で個人的にはこちらの方が好きだ。
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2005年02月27日

一の谷博士

 ウルトラQにおいて、数々の怪事件に遭遇し、その度に沈着冷静に的確なアドバイスを出すのが一の谷博士。世界的な博識の大科学者。演じるのは確かドイツ人の血を持つ二世俳優の江川宇礼雄さん。白髪で白いくちひげが印象的な人だった。明治35年生まれで昭和45年に亡くなっている。
 一の谷博士の研究所は立派な洋館で、科学研究所という感じが全くない。登場する時も洋館の一室という様子の執務室であったり、ゲストルームだったりする。白衣を着ているいる時が多いけれど、外出の時は背広にネクタイ。ヨーロッパのお医者さんと同じ。そういえばニュージーランドのホームドクターも診察室は普通の洋室で木製の机、本棚くらいしかなかった。診察の時も背広だったし。一の谷博士も典型的欧州調です。
 ウルトラQの放映リストを見ていると実に様々な俳優さんがゲスト出演している。「地底超特急西へ」では西岡指令室長に石川進氏、顔を見るとキューピーさんの顔してるんですが…。「ガラモンの逆襲」で電波研究所の花沢主任を演じるのは「ウルトラマン」の岩本博士を演じる平田昭彦氏。この方は年をとりませんね。ウルトラQもマンもぴったしカンカンも全く同じです。「宇宙指令M774」では以前ご紹介した巡視船の船長に藤田進氏。「206便消滅す」では一の谷博士の教え子で東京管制塔の金子主任に小泉博氏。そして最終回「あけてくれ」には「2020年の挑戦」で宇田川刑事を演じた柳谷寛氏が「あけてくれー」と半狂乱で叫ぶサラリーマン沢村を演じている。さらに、奇怪なSF小説家友野を演じているのが天本英世氏。天本さんの存在はそれ自体が奇怪で演技は“怪演”そのものだった。謎めいた雰囲気がいつ見ても魅力です。
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2005年02月26日

2020年の挑戦

 ウルトラQの最高傑作のひとつ「2020年の挑戦」は第19話。あのケムール人が登場するエピソードだ。有名な話なので今更ストーリーを追う必要もないかと思うが、オープニングの部分だけ紹介してみようと思う。
 航空自衛隊のレーダーが未確認飛行物体をキャッチする。指揮官の天野二佐は三機の哨戒機に追跡させる。ところが哨戒機は見えない壁にぶつかったかのように空中で爆発墜落する。会議でその様子を伝える天野二佐、しかし上司の誰もその話を信用しない。「確実な事は、何かが飛来し、哨戒機が三機墜落し、その飛来した物体は直ちに退去、或いは消滅したという事であり…」この天野二佐の説明の内にオープニングがスタート、映像がネガ画像で流れる。ケムール人が操る異様な液体に触れた人間がネガ状態になって消える、あの場面の予兆をかもし出す、恐ろしいオープニングだ。このあとの話を書くと長くなってしまうので省略。見たことがないという方は是非ビデオを借りられるか、DVDを購入されてでも見ていただきたい。
 さて、この天野二佐を演じるのは次シリーズ「ウルトラマン」のムラマツキャップを演じる小林昭二さん。天野二佐は万城目の友人という設定だが、えらい年の離れた友人だなと子供の時に思った。他にケムールを追いつめる宇田川刑事役に柳谷寛氏。最後の「ない!、ない!」と悲鳴をあげて消滅するシーンは恐怖。
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2005年02月25日

「マグネロボ・ガ・キーン」



 「マグネロボ・ガ・キーン」は1976年から「鋼鉄ジーグ」に続く、マグネットロボットシリーズ第2段として39話放映された。制作は東映動画。僕は「鋼鉄ジーグ」より「ガ・キーン」の方が印象が深い。ロボットの形だけでいうとジーグの方が機能的だと思うのだが、キャラクターが断然ガ・キーンの方が美形。それに主題歌もいい。日曜日の6時からということで、全話みることはなかったが。
 イザール星人の地球侵略をキャッチした花月博士はマグネロボ・ガ・キーンを開発製作したが、ガ・キーンの能力を引き出すために二人のマグネマンが必要だった。その一人に選ばれたのが博士の娘舞。この舞がロボットものに登場するキャラクターの中では均整のとれた顔だち、子供っぽくなくて大人のお嬢さんといった雰囲気だ。メカに乗り込んでしまうとケバイお姉さんに変わるがその辺はまあ、大目にみましょう。声を演じるのは杉山佳寿子さん。もうひとりのマグネマンが北条猛。こちらも舞に合わせてジーグの司馬宙に比べれば男前です。声を演じるのは古川登志夫さん。舞の乗る女性ロボマイティと猛の乗る男性ロボプライザーが変形してガ・キーンに合体する。
 主題歌はオープニングが「たたかえ!ガ・キーン」、エンディングが「猛と舞のうた」。共に作詞は浦川しのぶ、作・編曲は渡辺宙明、歌は水木一郎と堀江美都子。オープニングにはこおろぎ'73のコーラスが入ります。オープニングには「スイート・クロス」「ショルダークラッシュ」「カウンターナイフ」「ガ・キーンイレーザー」「エルボークラッカー」等々、掛け声、必殺技の連呼と70年代のアニメソングらしい。エンディングはそれに対してかなり渋い歌で今改めて聞いてみるとなかなかのものだ。
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2005年02月24日

「鳥を見た」(物語編)

 ウルトラQ第12話「鳥を見た」についてはウルトラQ唯一のエンディング曲があることで以前触れたが、今日は物語について。
 夜明け前、早朝の動物園。動物達がおびえはじめ、悲鳴をあげる。驚いた飼育係が見にいくと上空を通過する黒い影を見て倒れた。動物園の檻はやぶられ動物は一匹たりとも残っていなかった。発見された飼育係は「鳥を見た」と言って事切れる。オープニングが始まり有名なナレーションが入る「その朝、静かに眠る動物園を突然襲った恐怖は一体何か。そして、倒れていた男は、どんな鳥を見たのだろうか」
 ある漁村、村の半鐘が響く。漁師たちによって発見されて港に引かれてきた船は10世紀も前の帆船だった。万城目たちは知らせを受けてその船に乗り込んでみる。人は乗っておらず突然船は崩れて沈んでしまう。村の少年三郎はその帆船と共に現代に流れ着いた文鳥のような小鳥に出会う。クウと鳴く小鳥、少年は「クロー」と名付ける。
 万城目達が持ち帰った航海日誌を見る一の谷博士。その航海日誌の最後に「鳥を見た」と書かれてあった。太古の肉食巨鳥ラルゲユウスが四次元のトンネルを抜けて10世紀に現れ、さらに帆船と共に現代に甦ったという。またも動物園が襲われる。三郎と一緒に暮らす鳥の噂は村人の知るところとなり、一の谷博士のもとにも連絡が届く。「厳重に隔離した方がいいでしょう」警察はクローを籠に入れ隔離するが、巨大化したクロー(ラルゲユウス)は建物を破壊して飛び立っていく。このクローの巨大化は珠玉の特撮名場面。やがて三郎の上を旋回したクローは遠くの空へ消えていった。このあとあの有名なエンディングメロディが流れる。
 この三郎少年は次作品「ウルトラマン」で少年のくせして科学特捜隊本部に出入りを許されているホシノ少年を演じる津沢彰秀さん。当時10歳というから息子と同じくらいだが、精一杯演技していて好演。最後のクローが飛来して、旋回して、飛び去っていく別れの場面は印象深い。
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2005年02月23日

甘い蜜の恐怖

 オープニングシーンだったと思うが、村の駐在さんが自転車で農道を走っていると突然道が盛り上がる。この作品の随所に見られる土の盛り上がりとその移動のシーンはさすが円谷特撮だと感心させられる。本当に巨大モグラがいるかの如くリアルに描かれている。ドキドキしてしまう。
 ウルトラQ第10話「甘い蜜の恐怖」は巨大なモグラが登場する。農事研究所の木村研究員はロイヤルゼリーの数百倍の効果を持つ栄養ハニーゼリオンを開発する。それを与えたジバチの巣が数日前に襲われていた。木村はジバチの巣を襲ったものが何者かが非常に気がかりだった。野ネズミやイタチでないことを祈っていた。東京から一の谷博士と万城目たちがやってきたその日に、土の盛り上がりが移動し中から巨大なモグラが現れる。木村は責任を取ってハニーゼリオンの発表と研究所長の娘との婚約をあきらめようとするが…。
 自衛隊の対策委員会で一の谷博士は長谷川所長に「これはあんたの専門だろう、何か弱点のようなものでも?」長谷川所長は光線に弱いこと、外敵から攻撃を受けると地中深くもぐることを伝える。自衛隊の総攻撃で大モグラは地中深くもぐって火山帯のマグマに突っ込み死亡する。
 モグラは飼育方法が確立されておりペットとして飼っておられる方もあるそうだ。光に弱いというのは当たっていなくて明るい所でも飼える。ところが体が常にトンネルの壁に触れていないとストレスがたまって死んでしまう。餌がいくらあっても暗い箱の中に入れて飼うことはできない。ペットだから姿が見えないとおもしろしくないので、針金や透明パイプなどで作ったトンネルをはり巡らすと明るい部屋の中でも飼うことができる。手から餌を受け取るまでになるそう。僕も将来飼ってみたい動物のひとつ。
 さて事件は、木村研究員の同僚伊丹が木村を妬んでやったことだった。夜、温室に忍び込みジバチの巣にモグラを入れたのだった。この木村研究員を演じたのは次シリーズ「ウルトラマン」で科学特捜隊のハヤタ隊員を演じた黒部進さん。ハヤタ隊員よりちょっぴり若い?
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2005年02月22日

「来たのは誰だ」

 円谷の特撮シリーズで前作のレギュラーが次作にゲストとして出演しているケースは結構ある。今でも戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズではそういうケースがあって視聴者を喜ばせている。これはファンサービスの一環でしょうが。この逆のケース、つまり次作のレギュラーが前作にゲストで出演しているケースは気付かないことが多い。再放送などで視聴者が気付いて「おおっ!」と思うわけだが、そういうケースをいくつか取り上げてみようと思う。まずは「ウルトラマン」第31話「来たのは誰だ」。(台詞の細かい部分は間違っているかもしれません。悪しからず)

 科学特捜隊本部に南米支部から20年ぶりに後藤隊員が帰還する。30そこそこの後藤隊員は父親が特捜隊員だった。ところがこの後藤隊員、顔色は良くなくて何故か陰のある人物。パイプをくわえるムラマツキャップがライターで火を着けようとしても、マッチを着けようとしても後藤隊員が目を細めて視線をやるとなぜか着かない。疲れて早く休みたいたいという彼をフジ隊員がゲストルームに案内する。アラシとイデは怪しいと言うがムラマツキャップとハヤタは笑ってとりあわない。
 後藤隊員は案内するフジ隊員に「この建物は何でできているのか」と尋ねる。フジ隊員が「鉄筋コンクリートでしょ」と答えると「いや、他に特殊な物質が混ざっている」と言う。この話を聞いたムラマツキャップは血相を変えてボリビア支部に連絡を取るようにイデに命じる。「この建物は外部からのふいの攻撃に対して、あらゆる攻撃を阻止する特殊な合金が加えられている。それを後藤隊員が知っていてもおかしくはないが、軽々しく口にするのは変だ」
 時を同じくして宝市にキノコ状の奇怪な植物が現れる。調査に向かった科学特捜隊は植物学の権威の二宮博士を訪ねる。博士は20年前にアマゾンで発見された歩く(移動する)恐ろしい吸血植物ケロニアの話を持ち出し、宝市に出現した植物がケロニアに似ていると言う。そして博士は一冊の本を見せながら「これが私の恩師でもある後藤二郎博士が残された吸血植物ケロニアの想像図です」、ここでハヤタ「待ってください。二宮博士。20年前アマゾンで吸血植物を見つけたのは」「私の一生を通じてただひとりの恩師、後藤二郎博士です」イデとアラシは「ゴトウ」と声をそろえて叫ぶ。
 ケロニアは地上のいかなる動物よりも人間の血液がうまいことを発見し、高度に発達した知能で人間を征服して植物人間王国を作ろうとしていた。ケロニアの開発したエアシップが次々と飛来、ビートルが迎撃する。ウルトラマンと巨大化したケロニアとの対決。このケロニア、スペシウム光線も効かない強敵だったが、念動力を使った武器で倒す。
 そしてラストシーンで科学特捜隊の面々は事件をふりかえる。「なぜ植物がこんな高度な文明を持つようになったんですか」というハヤタの問いに、「それはまったくの謎です」と二宮博士が突然割って入る。「いくら高度に発達しても、血を吸って身を肥やすのは、もはや文明とは言えない」としめくくる。この言葉の意味は重いです。さすが金城さんの脚本です。
 この二宮博士を演じるのは次シリーズ「ウルトラセブン」でウルトラ警備隊の隊長キリヤマを演じた中山昭二さん。キリヤマ隊長とはひと味違う演技を見せてくれます。
posted by KAZU at 08:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮