
「ミュンヘンへの道」はネット上を検索しても本当に映像資料が出て来ない。まあ実在する選手が出ているから仕方ないことかもしれない。ミュンヘン後の不幸な事件も重なったから余計かも。世に「大古事件」と呼ばれ、松平監督の顔写真が新聞紙上に載りました。
それはさておき、僕は大古選手がサントリーに移ってからも大好きで、というよりサントリーの大古の印象が一番強いです。大砲が大古一人でバックアタックを多用、そのためバックフェイントなる技も登場しました。その大古選手が編み出したのが「Z攻撃」。
「Z攻撃」は移動攻撃で、セッターの後側から走って前に出てアタックを打つように見せかけて、バックステップを踏んで、ブロックをかわしアタックを打つというものです。選手の移動の軌跡とボールの軌跡とでZを描くのでこう呼ばれます。大古選手が世界の高いブロックをかわすために編み出しましたが、これがコート内では別の効果もあったのです。それが「ミュンヘンへの道」の中で紹介されています。
「大古さんが消えた!」
このセリフは誰のものかはさすがに覚えてませんが、練習中相手側コートにいた選手が発したものです。相手側選手から見ると大古選手が移動してセッターの陰に入った時にバックステップを踏むので、一瞬大古選手が消えたように見えるというのです。
「ミュンヘンへの道」はこういうエピソードでいっぱいでした。もう一度見たいものです。