「こちら葛飾区亀有公園前派出所」通称「こち亀」は日曜日の人気番組。ある意味でナンセンス、ギャグ満載のアニメなのだが、時折痛烈な社会批判と風刺を含む社会派アニメでもある。バカらしくて見ていられないという方もいることと思う。しかしながら、さすがに人気・長寿アニメだけあってまたその主題歌も多数、おもしろいものがある。集めればアルバムひとつできてしまう。CDを買ってまで持ちたいと思ったのは一曲だけだが。
さてその買ってまで持ちたかったのが「毎日、ノープロブレム」。小町と奈緒子ふたりの婦警が歌う。シリアスではないが警察官が主人公、正義感あるれる熱血漢たちがくりひろげる物語に強烈な毒気をもったキャラクターたちがあばれまくる。小町と奈緒子もその内の二人。いかにも当世風の女の子二人の私生活を歌ったエンディング。軽快で覚えやすい。「こち亀」ナンバーワンの主題歌だと思っている。
目覚まし時計 蹴飛ばし小指がアイタタタ
とりあえず 眉毛をかいたら 駅までダッシュ
CDはボーカルが前に出てバック(伴奏)が控えている感がある。これよりテレビバージョンのバックがグッと前に出ている方がノリやすい。3インチシングルCDで僕も取り寄せで買った。なかなか見ないCDだが、最近「こち亀」主題歌集のCDアルバムが出たのでこちらに収録されている。(こち亀百歌選〜主題歌ベストコレクション〜)
ついでにこのシングルCDのC/Wに「ほんのささいな恋だから〜マリアのマンボ〜」というのが入っている。これはアニメや原作を知らない人には意味のわからない歌。マリアが両津のところにおしかけ女房を演じる歌。
だけどお前は男
それはささいなことですわ
しっかりお前は男
誰でも欠点ありますわ
男であることを「ささいなこと」「欠点」と言い放つマリアがおかしい。
2004年07月15日
2004年07月14日
脱皮
十数年前テレビシリーズ「聖闘士星矢」が終了した。当時は「冥王ハーデス編」はマンガ連載中であった。何度も書いているが僕は漫画を読まないので、時々漫画を読んでいる友人から話を聞いた。その時に一番みんなが盛り上がったのが、「老師が脱皮した」という話題だった。筋を知らなくても老師が脱皮したということはどういうことか、大体は想像がついた。
さて、いよいよ「冥王ハーデス十二宮編」が制作された。残念ながら放映を見ることはできなかったが、ファンとしては見ないわけにはいかない。「冥王ハーデス十二宮編」についてはまた後日スペースを割いてみたい。今日は老師の脱皮に絞る。
ハーデスの力によって甦った前牡羊座の黄金聖闘士シオンの行く手を老師がさえぎる。18歳の小宇宙を爆発させるシオンに対して、243歳の老師もその巨大な小宇宙を燃やして戦う。聖闘士の要と呼ばれた老師の力はすごい。デスマスクが老師抹殺に来たが果たして対戦して勝てたのか。しかし、年齢の差は歴然、もはやこれまでかと思われた時に天秤座の聖衣が現れ、老師の体に異変が生じる。「脱皮」、老師の殻を破って18歳の童虎が姿を現わす。
哺乳類の心臓は約20億回鼓動を打って機能を停止すると言われている。体が大きな動物程心拍は遅く、小さい程速い。また子供は速く、老人は遅い。ハツカネズミの心臓は数十日の間に20億回打つ。人は55年ほどで20億回打つことになる。一日にして約10万回に当たる。今は環境の変化や医学の発達に伴って寿命は延びているが。老師はアテナによって一年の鼓動が10万回になるように施されていた。つまり老師にとっては243年は243日にすぎなかった訳だ。
代謝を抑えていた老師が再び若き童虎に戻る、これが脱皮だった。
余談だが数字を使った生物学に興味がある方は「ゾウの時間ネズミの時間」(本川達夫/中公新書)がおすすめ。
さて、いよいよ「冥王ハーデス十二宮編」が制作された。残念ながら放映を見ることはできなかったが、ファンとしては見ないわけにはいかない。「冥王ハーデス十二宮編」についてはまた後日スペースを割いてみたい。今日は老師の脱皮に絞る。
ハーデスの力によって甦った前牡羊座の黄金聖闘士シオンの行く手を老師がさえぎる。18歳の小宇宙を爆発させるシオンに対して、243歳の老師もその巨大な小宇宙を燃やして戦う。聖闘士の要と呼ばれた老師の力はすごい。デスマスクが老師抹殺に来たが果たして対戦して勝てたのか。しかし、年齢の差は歴然、もはやこれまでかと思われた時に天秤座の聖衣が現れ、老師の体に異変が生じる。「脱皮」、老師の殻を破って18歳の童虎が姿を現わす。
哺乳類の心臓は約20億回鼓動を打って機能を停止すると言われている。体が大きな動物程心拍は遅く、小さい程速い。また子供は速く、老人は遅い。ハツカネズミの心臓は数十日の間に20億回打つ。人は55年ほどで20億回打つことになる。一日にして約10万回に当たる。今は環境の変化や医学の発達に伴って寿命は延びているが。老師はアテナによって一年の鼓動が10万回になるように施されていた。つまり老師にとっては243年は243日にすぎなかった訳だ。
代謝を抑えていた老師が再び若き童虎に戻る、これが脱皮だった。
余談だが数字を使った生物学に興味がある方は「ゾウの時間ネズミの時間」(本川達夫/中公新書)がおすすめ。
2004年07月13日
5分だけのわがまま
「蒼き流星SPT レイズナー」のエンディング。
この時期のアニメは仕事の関係でなかなか見られなかったものが多い。とりあえずはオープニングとエンディングを録音してはみるものの、毎週見ることができないのでついつい歌だけになってしまう。
しかし、オープニング「メロスのように」も「5分だけのわがまま」も名曲だ。アニメ作品としてはどちらかというとマニアチックなもので、ファンが限定された感がある。その分だけ知名度が低いのが残念だ。
あの人の横顔を黙って見つめていれば
そばにいるそれだけで何となしに落ち着けるのよ
この古風な態度、けして推さず、ただ待とうとするが、
5分だけわがままをそっと言わせて
今だけはその瞳私のために
と時間を切ってわがままを言うのである。二番でも同様。
… 引き止めることなどしない
さよならのその前にもう一度だけ
思い出になるくらいくちづけをして
歌は富沢聖子さん、サビの部分のコーラスとのハーモニーが素晴らしい。この曲はオープニング「メロスのように」を歌うAIR MAILもカバーしていてレコードでは「メロスのように」のB面に入っている。富沢聖子さんとはまた違った雰囲気でなかなかよい。聞き比べてみるのもおもしろい。
この時期のアニメは仕事の関係でなかなか見られなかったものが多い。とりあえずはオープニングとエンディングを録音してはみるものの、毎週見ることができないのでついつい歌だけになってしまう。
しかし、オープニング「メロスのように」も「5分だけのわがまま」も名曲だ。アニメ作品としてはどちらかというとマニアチックなもので、ファンが限定された感がある。その分だけ知名度が低いのが残念だ。
あの人の横顔を黙って見つめていれば
そばにいるそれだけで何となしに落ち着けるのよ
この古風な態度、けして推さず、ただ待とうとするが、
5分だけわがままをそっと言わせて
今だけはその瞳私のために
と時間を切ってわがままを言うのである。二番でも同様。
… 引き止めることなどしない
さよならのその前にもう一度だけ
思い出になるくらいくちづけをして
歌は富沢聖子さん、サビの部分のコーラスとのハーモニーが素晴らしい。この曲はオープニング「メロスのように」を歌うAIR MAILもカバーしていてレコードでは「メロスのように」のB面に入っている。富沢聖子さんとはまた違った雰囲気でなかなかよい。聞き比べてみるのもおもしろい。
2004年07月12日
ΑΙΟΡΟΣ
ギリシア文字を少しかじられた方なら読めると思うが、アルファ・イオタ・オミクロン・ロー・オミクロン・シグマでアイオロスと読む。僕は語学としてのギリシア語を勉強したことはないので、アルファベットとローマ字読みができるだけだが。この表記は「聖闘士星矢」で何度か登場する。最新シリーズ「冥王ハーデス十二宮編」ではオープニングにも登場するので一度よく見てほしい。
ファンの方はよくご存知だと思うが、アイオロスは物語中13年前、前教皇を殺し入れ代わった双子座のサガが降臨した赤ん坊のアテナを殺そうとした時にアテナを救って脱出した射手座の黄金聖闘士である。聖域脱出を図るアイオロスは山羊座のシュラに発見され、聖衣をまとってシュラと戦う。必殺技はアトミックサンダーボルト。熱き心の持ち主だが優し過ぎた故に必殺のアトミックサンダーボルトでシュラに止めを刺さなかった。それが仇となって瀕死の重傷を負う。ギリシャに来ていた城戸光政に射手座の聖衣とアテナを託して息絶える。
「聖闘士星矢・黄金聖闘士編」の感動の場面はいくつかあるが、そのひとつは星矢たちが人馬宮にたどり着いた時の場面。射手座の黄金聖衣が現れ、矢を星矢に向けて放つが、矢は壁にささり、崩れた壁からアイオロスの遺書が現れる。
「ここを訪れし少年たちよ、君たちにアテナを託す アイオロス」
アニメでは全文がギリシャ語だった。無人の人馬宮でアイオロスの遺書に熱き心を感じた星矢たちが決意を固める。
この感動を見たことのない人に伝えるのは難しい。僕は「聖闘士星矢」の画面に「ΑΙΟΡΟΣ」の文字を見る度に感動の場面を思い出さずにはいられない。
ファンの方はよくご存知だと思うが、アイオロスは物語中13年前、前教皇を殺し入れ代わった双子座のサガが降臨した赤ん坊のアテナを殺そうとした時にアテナを救って脱出した射手座の黄金聖闘士である。聖域脱出を図るアイオロスは山羊座のシュラに発見され、聖衣をまとってシュラと戦う。必殺技はアトミックサンダーボルト。熱き心の持ち主だが優し過ぎた故に必殺のアトミックサンダーボルトでシュラに止めを刺さなかった。それが仇となって瀕死の重傷を負う。ギリシャに来ていた城戸光政に射手座の聖衣とアテナを託して息絶える。
「聖闘士星矢・黄金聖闘士編」の感動の場面はいくつかあるが、そのひとつは星矢たちが人馬宮にたどり着いた時の場面。射手座の黄金聖衣が現れ、矢を星矢に向けて放つが、矢は壁にささり、崩れた壁からアイオロスの遺書が現れる。
「ここを訪れし少年たちよ、君たちにアテナを託す アイオロス」
アニメでは全文がギリシャ語だった。無人の人馬宮でアイオロスの遺書に熱き心を感じた星矢たちが決意を固める。
この感動を見たことのない人に伝えるのは難しい。僕は「聖闘士星矢」の画面に「ΑΙΟΡΟΣ」の文字を見る度に感動の場面を思い出さずにはいられない。
2004年07月11日
一条貴世美
「ウルトラQ」はまだ小さかったこともあって大変怖い思いをした話も多かった。「これから30分あなたの目はあなたの身体を離れてこの不思議な時間の中に入って行くのです」というオープニングのナレーションもそうだが、いくつかのエンディングナレーションも記憶に焼きついているものがある。「あの人も、あの人も、あの人も、あの人も… 宇宙人なのかもしれません」(宇宙司令M774)もそのひとつ。
「宇宙司令M774」は怖いわけではないが、宇宙の平和のために働く宇宙人が任務を終えて地球人として暮らしていくという話だ。豪華客船クイーンパール号の甲板上で由利子が拾った人形が突然しゃべり出す。「私の名はゼミ、ルパーク星人です。地球人に警告します。地球に怪獣ボスタングが侵入しました…」驚いた由利子が人形を放り出した時に空から海中に突っ込む怪物体があった。由利子の話を信用しない万城目だったが、操縦するセスナが遠隔操作されてたどり着いた所のジュークボックスが再び警告する。「私の名はゼミ、ルパーク星人です…」しかし万城目は信用しない。ゼミは言う「信用していただけないようですね。それでは私が地球に行くしかありません。…中央図書館の一条貴世美をお訪ねください。」
ルパーク星からやって来た一条貴世美(ゼミ)は万城目たちにボスタングの図を示してボスタング攻撃の準備を進めるように警告する。海上保安庁の巡視艇と戦闘機の協力でボスタングを粉砕することに成功したゼミは「ルパーク星に帰るのか」という問いに「これからは地球人としてこの星に住む」と答える。ちょっとメルヘンチックだが、よく考えるとゼミにとっては大きな決断を強いられた司令だったはずだ。
そして最後のナレーション。ゼミのサンダルが写り、同じサンダルを履いた人が何人も歩いていく。「あの人も、あの人も、あの人も、あの人も… 宇宙人なのかもしれません」
「宇宙司令M774」は怖いわけではないが、宇宙の平和のために働く宇宙人が任務を終えて地球人として暮らしていくという話だ。豪華客船クイーンパール号の甲板上で由利子が拾った人形が突然しゃべり出す。「私の名はゼミ、ルパーク星人です。地球人に警告します。地球に怪獣ボスタングが侵入しました…」驚いた由利子が人形を放り出した時に空から海中に突っ込む怪物体があった。由利子の話を信用しない万城目だったが、操縦するセスナが遠隔操作されてたどり着いた所のジュークボックスが再び警告する。「私の名はゼミ、ルパーク星人です…」しかし万城目は信用しない。ゼミは言う「信用していただけないようですね。それでは私が地球に行くしかありません。…中央図書館の一条貴世美をお訪ねください。」
ルパーク星からやって来た一条貴世美(ゼミ)は万城目たちにボスタングの図を示してボスタング攻撃の準備を進めるように警告する。海上保安庁の巡視艇と戦闘機の協力でボスタングを粉砕することに成功したゼミは「ルパーク星に帰るのか」という問いに「これからは地球人としてこの星に住む」と答える。ちょっとメルヘンチックだが、よく考えるとゼミにとっては大きな決断を強いられた司令だったはずだ。
そして最後のナレーション。ゼミのサンダルが写り、同じサンダルを履いた人が何人も歩いていく。「あの人も、あの人も、あの人も、あの人も… 宇宙人なのかもしれません」
御礼

いつもたくさんの方に来ていただいて、ホントにありがとうございます。でも、昨日のアクセス数あれは何? 個人日記ランキングベスト10に入ってました。(苦笑)
繰り返しお願いですが、記憶と乏しい資料をもとに、おまけにかなり思いつきで書いているので多々まちがいがあると思います。お気づきの点はコメント残していただくと助かります。
アニメ主題歌に興味のある方力だめしに Yahoo掲示板の「名曲アニメ■この曲なんだ?」などいかがですか。老若男女、新旧問わずアニメ史40年の主題歌が出題されてます。
2004年07月10日
正義も負ければ悪となりうる
再び「聖闘士星矢」黄金聖闘士編から。
この世に普遍の正義など存在しないと思っている。人間の価値観は自然科学の法則のように割り切れるものではない。時代によって変わるものだ。
老師に対峙したデスマスクは「例え悪だろうがなんだろうが、最後に勝ったものこそが正義となる。言い方を変えれば正義も負ければ悪となりうることもあるのです。」と言う。それに対して老師は「真の正義とはどんな時の流れにも不変のものじゃ!この大いなる流れのごとく何者も変えることはできぬ。」と返す。僕はデスマスクが間違いだとは思えない。人間の現実はデスマスクの言に従って動いているのだから。
ここで注目してほしいのがデスマスクの老師に対する言葉づかい。青銅聖闘士に対しては悪口雑言を吐くデスマスクも老師に対しては丁寧な言葉づかいをしている。やはり老師に対しては年上に対する、老人に対する、黄金聖闘士に対する敬意をはらっている。
さて、デスマスクの言うように二つの正義がぶつかり合う。光速の拳を繰り出す黄金聖闘士同士も火花を散らす。山羊座のシュラと射手座のアイオロスの見せた過去の戦い。アイオロスあまい男だ、一撃必殺「アトミックサンダーボルト」を決めていれば…。教皇の間での獅子座のアイオリアと乙女座のシャカ。「迷いは去った!もはやアイオリアを葬るになんのためらいもなし」シャカの名文句。物語は最後の勝者に「正義」を与える。
星矢が主人公なのだから最後に勝利をつかまないと話は終わらないのだが、黄金聖闘士に勝ってほしかった。特にシャカには。
この世に普遍の正義など存在しないと思っている。人間の価値観は自然科学の法則のように割り切れるものではない。時代によって変わるものだ。
老師に対峙したデスマスクは「例え悪だろうがなんだろうが、最後に勝ったものこそが正義となる。言い方を変えれば正義も負ければ悪となりうることもあるのです。」と言う。それに対して老師は「真の正義とはどんな時の流れにも不変のものじゃ!この大いなる流れのごとく何者も変えることはできぬ。」と返す。僕はデスマスクが間違いだとは思えない。人間の現実はデスマスクの言に従って動いているのだから。
ここで注目してほしいのがデスマスクの老師に対する言葉づかい。青銅聖闘士に対しては悪口雑言を吐くデスマスクも老師に対しては丁寧な言葉づかいをしている。やはり老師に対しては年上に対する、老人に対する、黄金聖闘士に対する敬意をはらっている。
さて、デスマスクの言うように二つの正義がぶつかり合う。光速の拳を繰り出す黄金聖闘士同士も火花を散らす。山羊座のシュラと射手座のアイオロスの見せた過去の戦い。アイオロスあまい男だ、一撃必殺「アトミックサンダーボルト」を決めていれば…。教皇の間での獅子座のアイオリアと乙女座のシャカ。「迷いは去った!もはやアイオリアを葬るになんのためらいもなし」シャカの名文句。物語は最後の勝者に「正義」を与える。
星矢が主人公なのだから最後に勝利をつかまないと話は終わらないのだが、黄金聖闘士に勝ってほしかった。特にシャカには。