2004年06月30日

「ゴア様、それはいけません」

 ゴアはあせっていた。地球の征服者と自ら豪語する割には手が詰まるのが早すぎる。スペクトルマンの宇宙猿人ゴリが最後の手として「ラー」を巨大化させた時より手詰まりの感が強い。
 「俺には奥の手、怪獣ゴアゴンゴンがいる!」と吠えるゴアに対して
 「ゴア様、それはいけません」と部下が意見する。
 怒ったゴアはその部下をぶん殴る。全くの暴君、それでも部下はゴアの身を案じてのこと、なかなか芝居してます。
 最後の怪獣が敵役そのものが巨大化するのは「ジャイアントロボ」のギロチン帝王と同じだが、ゴアは姿も変える。怪獣ゴアゴンゴンはマグマ大使よりも背丈が高い竜の姿の怪獣。キンドラといいゴアゴンゴンといいデザイン面で最後は力尽きたか。ゴアゴンゴンの武器は口から吐く絶対零度の冷凍光線。マモルを誘拐しマグマ大使の電子頭脳を狂わせ一旦勝利したゴアは最後はアースの神的力によって逆転負けする。結局最後は神頼みという「キリスト教」に裏打ちされたアメリカ映画のような感じがする。

 ラストシーンはマグマ大使のロケットの飛行シーンを中心に映像がながれ、主題歌が二番まで流れて幕を閉じた。(だったと思う)

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2004年06月29日

「オレンジ色が鳴いている」

 子供向け番組では余り「恐ろしい」「おぞましい」ものは出てこないのが普通だが、マグマ大使の「キンドラ編」はなかなか恐ろしかった。
 ゴアは有人人口衛星に対して宇宙オレンジカビで攻撃をしかける。人口衛星からの最後の通信は「オレンジ色が鳴いている」だった。人口衛星は山中に墜落する。このオレンジカビは金属を腐食させ、動物を食う人食いカビだった。人口衛星の墜落地点で散乱した人口衛星の破片はオレンジカビが着いてピカピカと輝いていた。二人組みの男はこれを宝石店に売り込もうと持ち帰る。宝石店に入った男はコレを買ってくれともちかけ、弟分が破片を取り出した時には男の手は白骨化していた。放り投げた破片は宝石店の女店員の足に‥。数時間で両人とも全身白骨の死体と化した。なかなかショッキングな話のスタート。マグマ大使で唯一恐かった場面。
 オレンジカビを撒き散らすのは怪獣キンドラで、このキンドラはただトカゲを大きくしただけというデザイン。怪獣としてはもうひとつだった。村上記者の取材で奇跡的にオレンジカビの難を逃れた人がみなムラサキ色の花を見たということがわかる。アースの話としてオレンジカビに対抗するムラサキカビがオレンジカビの胞子の中に混じっていたのだろうということで、村上記者は息子マモルと共にムラサキカビを捜す。背後からオレンジカビの迫る中、逃げ遅れた母子を乗せて走る車を二人の男が止める。
 「オレンジカビがそこまで来ている、俺たちも乗せてくれ」
 「もう乗れないから、安全なところまで母子を送ったら、もどってくるから」
 そういう村上記者を男たちは車から引きずり出し逃げ去る。
 どうも納得のいかない場面だ。二人くらいの人間をどうやっても乗せられなかったのか。セダンだ、トランクを開けてでもどうにかならなかったか。怪我を負わされ、山小屋に逃げ込んだ村上記者とマモルに迫るオレンジカビ、しかし小屋の前に生えていた大量のムラサキカビの発する光線で進行は止められる。二人は朝日の中でムラサキ色の花を見るのだった。とはいえ、うちのテレビはこの時にはまだ白黒テレビで、オレンジだのムラサキだの言われても全然印象にない。結果的に村上記者の命をかけた発見で人類は救われる。しかし、あの車のシーン未だにひっかかる。
 ゴアが地球征服のために差し向けた最後の怪獣キンドラが倒され、いよいよ真の最後の怪獣ゴアゴンゴンが登場することになる。
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2004年06月28日

音波怪獣フレニックス

 ほにゃさんの記事に共鳴して「ナウシカ」を書きましたが、今日は「マグマ大使」に戻りましょう。

 マグマ大使の怪獣のデザインはその雰囲気がウルトラマン等円谷プロの怪獣とは異なった印象を受ける。ネーミングもそうだ。「ストップゴン」などとふざけたヤツもいるが。
 中でも音波怪獣フレニックスは特異。着ぐるみが作られなかった怪獣だ。海中に潜み、登場する時は海上に頭だけを出す。だから撮影は頭部だけが使われた。たった一度だけ海中を泳ぐシーンがあったと思うがそれは当時「少年画報」の記事でミニチュアだったと記憶している。
 対するマグマ大使は海中での戦いはできないので、ロケット態のまま空からの攻撃を繰り返した。マグマ大使が人間態にならずに倒したのはフレニックスだけだ。最後はアースが作った音波吸収装置を使ってガムと共に葬った。この嵐の中での海上対決は見応えがあった。特撮とアニメ合成による画面がマグマ大使の特徴だが、これもまた円谷プロの作品とは一味違う。

 さて、マグマ大使の主題歌は「アースが生んだ〜」で有名なのでこちらは置いておいて、「ガムのうた」について少し書いてみます。ガムはマグマ大使がマモルを見て、妻モルと息子がほしいとアースに頼み作ってもらったロケット人間の少年。マモルが笛を1回吹けばやってくる。登場回数も多くそのテーマとして「ガムのうた」は頻繁に使われた。劇中歌であり、情報によると本編では歌詞入りでは使われなかったそうだ。僕は「少年画報」の付録のソノシートに「ガムのうた」が収録されていて聴いた記憶があるのでどうもそんな気がしない。歌は前川陽子さん。

 宇宙のちびっこ、ガムガム
 かわいいロケット、ガムガム
 風を切り、雲を越え
 ぐんぐんスピード、ガムガム
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2004年06月27日

「風の谷のナウシカ」

 言わずと知れた宮崎アニメの代表作。僕は宮崎アニメの最高峰だと思っている。「天空のラピュタ」を推す人も多いが、いずれにしてもこの「ナウシカ」を頂点として宮崎監督の加齢と共に宮崎アニメのパワーは下降している。確かに芸術的な面では年齢とともに向上はとどまるところはないのだが。
 「ナウシカ」を最高峰とする理由は、原作が監督自身ということもあるが、映画に「喜怒哀楽」の表情がある。特に「怒り」、ナウシカの激しい怒りの表情は監督が若い頃だからこそ出せた表情だと思う。あの父親が殺されたと知ったときのナウシカの怒りの表情は忘れ得ない。「もののけ姫」にも怒りの表情はあるが、もうナウシカの激しさはない。
 「ナウシカ」で好きなキャラクターは「王蟲」。虫の王たる風格、怒りに燃え上がれば津波のように押し寄せとどまることを知らない。たった一匹のウシアブを砂漠に迎えに来ている青い目の「王蟲」のやさしさ。
 そして、最後の感動の場面。「王蟲」は喋らないが大ババが代弁してくれている。
 「何といういたわりと友愛じゃ。王蟲が心を開いておる…」
 この場面では何度見ても涙がとまらない。
posted by KAZU at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション

2004年06月26日

「私の名はゴア」

 村上マモル少年は謎の男ゴアから「次の日曜日いい所へ連れて行ってあげよう」と誘いを受ける。父も母も「ダメ」というが、日曜日の朝目が覚めると村上家はジャングルの中へ移動していた。そしてジャングルには怪獣アロンが…。
 「マグマ大使」の第1話「わたしがゴアだ」の最初の部分である。「マグマ大使」は手塚治原作で当時、今ではもう幻になってしまった月刊雑誌「少年画報」に連載されていた。実写版ではあるが随所にアニメを取り入れ、円谷プロの特撮とは一線を隔していた。怪獣のデザインも全く異なる。第2話から第4話に登場するモグネスは四足歩行型の怪獣で着ぐるみである以上中の人が膝をつく姿勢になるので仕方ないが、上半身のデザインはすばらしい。二足歩行型のアロンやグラニアなどは見事としか言いようのないフォルムをしていた。ただマグマ大使の動きが非常に重くてバトルについてはウルトラマンのようなカッコよさがなかったのも確かだが。
 マグマ大使は一話完結型ではなくて数話で1ストーリーが完結するようなシリーズとなっている。常に番組は臨場感あふれる場面で終わり、次回に話を続ける形になっていた。絶対に次を見るぞという気持ちにさせる。
 俳優陣は今更言うまでもなく、村上記者に岡田真澄、イーデスハンソン等を迎え、一説には海外放映を意識していたとか。オープニングは「わたしの名はゴア、地球の征服者」というゴアの台詞で始まる。4クール1年間放映されこの流れは次作「怪獣王子」へとつながっていく。
 オープニングについて一言書いておくと、歌は通して変わっていないが、オープニングの映像が途中で変更になっている。当時は主題歌が途中で変わるなどということは全くなかった時代、オープニング映像が変わるというだけでも大変印象深い変更だった。「わたしの名はゴア…」から「ゴア様の力を見るがいい、怪獣ども行け!」と台詞も変わった。
posted by KAZU at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2004年06月25日

蹂躪(じゅうりん)

 「蹂躪」という言葉は書き言葉だから普通会話には出てこない。こんな言葉を会話でしょっちゅう使うやつなどいないのが普通。ところが会話で度々使う人がいた。

 悪の天才がときに野心を抱き
 世界制服を夢見た時に
 君はどうする、君はどうするか、君は
 蹂躪されて黙っているか

 普通「人権蹂躪」にしか使わないけどね。「スーパーロボット マッハバロン」で登場人物からナレーションまで「蹂躪」がいっぱい出てきた。おかげで僕もこの難しい字を書けるようになった。「マッハバロン」は裏番組(今では何を見ていたのか覚えていないが)を見ていて、中身は殆ど知らないのだが、オープニングとエンディングだけは「マッハバロン」を優先した。それほど魅力的な曲だ。
 オープニング「マッハバロン」は前奏が長くていったいいつ歌詞が始まるんだというオープニングらしくない曲。対してエンディング「眠れマッハバロン」は静かなメロディ。「戦う機械でなくしてあげたい…」
 この曲を聴くことの出来るCDは「懐かしの特撮ヒーロー大全(6)」しか知らないが絶版状態。オープニングだけなら他にもあるのだが。
posted by KAZU at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2004年06月24日

「まいっちんぐマチコ先生」

 「まいっちんぐマチコ先生」は1981年にTV放映が開始された。僕の両親は何も言わなかったが(当然だ、もう成人式をとっくに過ぎていた)、世の中の母親団体が放映の中止を叫んだ。「学校の先生を性的対象にする番組」だということでだ。テレビ番組が子供たちに大きな影響を与えるということは分かる。しかしながら、マチコ先生は実にかわいく描かれていた。「いたずらをされたら、頬染めて照れちゃう」のです。「マイッチングマチコ」という今や死語に近いギャグも生み、最近では「まいっちんぐマチコ先生2」(こちらはテレビアニメではないが)もできて人気はまだまだ続いている。先のアニメは当時以上にセクハラ問題が厳しく問われる時代、はっきり言ってセクハラ連続の内容だから、再放送は無理だろうが、もう一度見てみたいアニメである。
 魅力は子供のようにあどけなく描かれているかわいいマチコ先生。いたずらされても決して怒らず、いつもはにかんで笑っている(うそです)。スカートをめくられるのは再三のこと、白い下着もかわいかった。
 オープニングは「わたしはマチコ」、「いたずらをされたら、頬染めて照れちゃう」「いたずらをされても、しかえしでキメちゃう」と軽やかに歌う。なかなかメロディもノリやすい曲です。エンディングは「ぼくらは小さな悪魔」。大和田りつ子さんが「先生怒り顔も魅力的だぜ」と男の子の声で歌う。
posted by KAZU at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション